公開日 2023年11月24日
更新日 2024年11月25日
DV:ドメスティック・バイオレンス(配偶者からの暴力)の防止について
1 DV:ドメスティック・バイオレンス(配偶者からの暴力)の防止
DVとは、一般的には配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあったパートナーからの体や心への暴力のことです。
暴力にはさまざまな形態があり、殴る、蹴るといった身体的暴力はいうまでもなく、暴言や無視、逆に交友関係の監視、また、生活費を渡さない、避妊に協力しないといったこともDVに当たります。
DVは、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害にも関わらず、親しい関係の中で行われるため、周囲には気づかれにくく、被害者が我慢する中で深刻化してしまう傾向があります。
そのため、早期の発見、対応が大変重要となります。
※「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(通称:DV防止法)」が改正され、令和6年4月より保護命令制度が新しくなりました!
改正のポイントは次の3つです。
【①接近禁止命令等について、発令の対象が拡大します】
これまでのDV防止法では、身体に対する暴力、生命又は身体に対する脅迫が保護命令(接近禁止命令、電話等禁止命令、退去命令)の対象となっていましたが、新しく「自由、名誉又は財産に対する脅迫(重篤な精神的被害を受けた場合)」についても保護命令の対象となります。
○自由に対する脅迫
・身体、行動の自由への脅迫:部屋に閉じ込め、外出しようとすると怒鳴るなど
・謝罪に関する意思の自由への脅迫:土下座を強制するなど
○名誉に対する脅迫
・性的な画像を広く流布させると告げるなど
・悪評をネットに流して攻撃すると告げるなど
○財産に対する脅迫
・キャッシュカードや通帳を取り上げると告げるなど
※これらの行為などが新しく対象となり得ますが、具体的に接近禁止命令等の対象となる「脅迫」に該当するか否かについては、個別の事案における証拠に基づき裁判所が判断することとなります。
【②子への電話等禁止命令の創設】
禁止の対象行為は、監視の告知等、無言電話、緊急時以外の連続した電話・FAX・メール・SNS等送信、位置情報の無承諾取得などです。
ただし、これらの行為が禁止されるためには、被害者と同居する未成年の子への接近禁止命令の要件(被害者が当該子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があること、15歳以上の子についてはその同意があることなど)を満たしている必要があります。
【③保護命令違反に関する罰則の加重】
1年以下の懲役/100万円以下の罰金 → 2年以下の懲役/200万円以下の罰金
更に詳しく知りたい方は、下記の内閣府のホームページやパンフレットをご覧ください。
2 配偶者からの暴力とは?
配偶者からの暴力には、身体を傷つける行為だけでなく、次のようなさまざまな暴力があります。
多くの場合、何種類かの暴力が重なって起こっています。
【身体的暴力】
・殴る、蹴る
・首を絞める
・物を投げつける
・刃物を突きつける
・腕をねじる
・身体を傷つける可能性のある物で殴る
【精神的暴力】
・大声で怒鳴る
・「誰のおかげで生活できるんだ」「甲斐性なし」などと言う
・何を言っても無視して口をきかない
・実家や友人と付き合うのを制限したり、電話や手紙を細かくチェックする
【経済的暴力】
・生活費を渡さない
【性的暴力】
・いやがっているのに性行為を強要する
・見たくないのにポルノビデオやポルノ雑誌を見せる
・避妊に協力しない など・・・
3 暴力が与える影響
【被害者への影響】
DVは、被害者の心身に多大な影響を与えます。その後何年も身体的な不調があったり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつの症状に苦しむこともあります。
また、暴力を振るわれ続けることによって、次第に感情がなくなる、無気力状態に陥る、自己評価が低くなる等とも言われています。
なぜ逃げないのか? 恐怖感・・・・・逃げたら殺されるかもしれない 無力感・・・・・誰も助けてくれない 複雑な心理・・・優しい時が本当の姿 今度こそ変わってくれるかもしれない 経済的問題・・・収入がなく、逃げても生活できない 仕事をやめなければならない 子ども・・・子どもに危害を加えるかもしれない 転校させるのはかわいそう 父親(又は母親)がいなくなるとかわいそう ・・・など |
【子どもへの影響】
DVを目撃することで、子どもの心身にも様々な症状が現れると言われています。
例えば、「情緒不安定」「攻撃的な態度」「感情表現や問題解決に暴力を用いる」・・・など。
加害者が子どもにも暴力を振るっている場合や、DV被害者がより弱い立場にある子どもを虐待したり、無気力になることで育児を放棄(ネグレクト)している場合もあります。
子どもの目の前で暴力を振るう「面前DV」は子どもの心を深く傷つける行為であり、暴力が直接子どもに向けられたものではなくても、児童虐待に当たります。
4 加害者の特徴
加害者は、年齢や学歴、職種、年収、社会的地位等に関係がないと言われています。
人当たりが良く、社会的信用もあり、周囲の人からは「家で妻に対して暴力を振るっているとは想像できない」と思われている人がいる一方、普段から誰に対しても暴力的で、見知らぬ人に対しても言いがかりをつけて暴力を振るう人もいます。
また、配偶者への暴力が重大な人権侵害であるとの意識が低く、自分を正当化する傾向があるため、同じことを繰り返す危険性があります。
加害者は、「暴力を振るっても、とがめられない相手」として配偶者を選び、人目につきにくい家庭という場所を選び、意図的に暴力を振るっている確信犯なのです。
5 協働による被害者支援
被害者が地域で安心して暮らすことができる環境づくりを進めるためには、行政だけではなく、様々な関係機関、県民の皆様のご協力が不可欠です。
日頃の業務や近所付き合いの中などで、被害者が発するサインに気づいたら、「配偶者暴力相談支援センター」や「こうち男女共同参画センター『ソーレ』」、市町村のDV担当課など、DVの相談ができるところがあることを伝えてください。
6 DV被害者支援計画
高知県では、DVを防止し、被害者を保護・支援するための取組を、総合的・体系的に行うための計画を策定しています。
現在、第3次「高知県DV被害者支援計画」(計画期間:平成29年度から令和5年度まで)に基づき、様々な取組を行っています。
計画の詳しい内容は、下記をご覧ください。
▲第3次「高知県DV被害者支援計画」を策定しました
〇第3次「高知県DV被害者支援計画」 詳細版[PDF:43MB]
〇第3次「高知県DV被害者支援計画」 ダイジェスト版[PDF:7MB]
※ ファイルサイズが大きいので、ダウンロードに時間がかかります。
※ ダイジェスト版は三つ折りのため、ページ順が仕上がりと違います。
※ ファイル内では計画期間が「平成29年度から令和3年度まで」となっておりますが、計画期間を2年間延長しました。
◆ 第3次「高知県DV被害者支援計画」の策定に係る検討状況
第3次計画の策定に関する検討状況です。
第3次「高知県DV被害者支援計画」の検討について
■ 第2次「高知県DV被害者支援計画」について
〇第2次「高知県DV被害者支援計画」(ダイジェスト版) [PDFファイル/6.51MB]
〇第2次「高知県DV被害者支援計画」(詳細版) [PDF:40MB]
※ ファイルサイズが大きいので、ダウンロードに時間がかかります。
※ ダイジェスト版は三つ折りのため、ページ順が仕上がりと違います。
7 相談窓口及び連絡先
●県内相談窓口
相談窓口 | 女性相談支援センター (配偶者暴力相談支援センター) |
こうち男女共同参画センター「ソーレ」 | 警察 |
対象者 | 女性・DV被害者である男性 | 女性・男性(加害者、被害者とも) | 暴力被害者 |
電話番号 | 088-833-0783(おなやみ) | ○女性向け:088-873-9555(相談電話) ○男性向け:088-873-9100(予約電話) |
○警察本部の総合相談係 (#9110又は088-823-9110) ○最寄りの警察署の生活安全担当課 |
受付時間等 | ○平日:9時から22時まで ○土・日・祝日:9時から20時まで ※年末年始を除く。 |
○女性向け:9時から17時まで |
○夜間・休日は当直が対応します。 |
●国(内閣府)相談窓口
相談窓口 | DV相談+(プラス) | 全国共通ダイヤル「♯8008」(はれれば) |
対象者 | 女性・DV被害者である男性 | 女性・DV被害者である男性 |
受付時間等 |
○電話相談 24時間受付 内閣府HP:https://soudanplus.jp |
発信地等の情報から最寄りの相談機関の窓口に ※受付時間は各相談機関の受付時間に限ります。 |
電話番号 |
0120-279-889(つなぐ・はやく) |
♯8008(はれれば) |
8 『女性に対する暴力をなくす運動』広報・啓発
女性に対する暴力を根絶するためには、「暴力を許さない」という県民みなさまの意識を高めることが必要不可欠であり、「女性に対する暴力をなくす運動」(毎年11月12日から25日まで)に、運動のシンボルであるパープルリボンにちなんで、高知城をパープルにライトアップすることで、パープルリボン運動を広くPRし、女性に対する暴力根絶への意識を高めています。
◎高知城パープルライトアップの様子(令和6年11月12、13日実施)
◎鏡ダム、永瀬ダムパープルライトアップの様子(令和6年11月12日~25日)
永瀬ダム[JPEG:174KB]
◎高知県公式キャラクター「くろしおくん」がパープルリボンを着用し、DV撲滅を啓発しました。(令和4年11月)
くろしおくん(パープルリボンツリー)[JPG:319KB]
くろしおくん(啓発小旗)[JPG:406KB]
【パープルリボン運動とは?】
- 女性に対する暴力根絶のシンボルとして、世界各地で使われています。世界を子どもや暴力被害者にとってより安全なものとすることを目的として、1994年、アメリカ・ニューハンプシャー州のベルリンという小さな町で、近親相姦やレイプのサバイバーによって生まれました。
- 個人間の暴力や虐待に関心を呼び起こすとともに、暴力の下に身を置いている人々に勇気を与えようとの願いから、40か国以上に広がっている、国際的なネットワークに発展した草の根運動です。
- 紫色のリボンであれば具体的にはどのようなものでもよく、それを身につけることでパープルリボン運動の趣旨への賛同を表明することができます。
- 女性に対する暴力根絶を目指す世界各地の活動団体が、布リボンやバッジ等により「パープルリボン」を広めることで、女性に対する暴力を許さない社会を目指す活動をさらに広げています。
※全国各地における取組については、内閣府のホームページをご覧ください。
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/no_violence_act/index.html
この記事に関するお問い合わせ
所在地: | 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号(本庁舎5階中央北側) |
電話: | 人権担当 088-823-9804 |
女性の活躍推進室 088-823-9651 | |
ファックス: | 088-823-9807 |
メール: | 060901@ken.pref.kochi.lg.jp |
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