魚介類の毒にご注意ください!

公開日 2013年09月02日

更新日 2014年03月29日

魚介類の毒にご注意ください!

魚介類の中には、食べると人体に害を及ぼす毒をもつものがあります。
釣りや潮干狩りで獲った魚介類を食べる際には、毒を持っていないか十分に確認しましょう。

魚介類の自然毒一覧表

魚類の自然毒

毒種(厚生労働省HPへのリンク)

対象魚類及び有毒部位

主な症状

フグ毒

フグ類

有毒部位:フグにより異なる

食後20分から3時間程度の短時間でしびれや麻痺症状が現れる。
麻痺症状は口唇から四肢、全身に広がり、重症の場合には呼吸困難で死亡することがある。

シガテラ毒

シガテラ毒魚
(ドクウツボ、オニカマス、バラハタ、バラフエダイなど)

有毒部位:筋肉、内臓

主症状は神経症状であるドライアイスセンセーション(温度感覚の異常)、掻痒、四肢の痛みで、筋肉痛、関節痛、頭痛、めまい、脱力、排尿障害などもある。また、消化器系症状(下痢、嘔吐、腹痛、悪心等)や循環器系症状(不整脈、血圧低下、徐脈等)も呈することがある。神経症状は、軽症では1週間程度で治まるが、重症な場合では数ヶ月から1年以上継続することがある。死亡例は極めて稀である。

パリトキシン及び関連毒

アオブダイ、ハコフグ、ソウシハギなど

有毒部位:筋肉、肝臓、消化管、その他の内臓

潜伏時間は概ね12~24時間と長い。主症状は横紋筋融解症(激しい筋肉痛)やミオグロビン尿症で、呼吸困難、歩行困難、胸部の圧迫、麻痺、痙攣などを呈することもある。初期症状の発症から数日で血清クレアチンホスホキナーゼ(CPK)値の急激な上昇がみられ、重篤な場合には十数時間から数日で死に至る。回復には数日から数週間を要する。

卵巣毒

ナガズカなど

有毒部位:卵巣

胃腸障害(嘔吐、下痢、腹痛)。死亡することはない。

胆のう毒

コイ類

有毒部位:胆のう

胃腸障害(嘔吐、下痢、腹痛)の他に、肝機能障害(黄疸など)や急性腎不全(乏尿,浮腫など)

血清毒

ウナギ類

有毒部位:血清

ウナギの新鮮な血液を大量に飲んだ場合、下痢、嘔吐、皮膚の発疹、チアノーゼ、無気力症、不整脈、衰弱、感覚異常、麻痺、呼吸困難が引き起こされる。死亡することもある。

ビタミンA

イシナギ、サメ類、マグロ類

有毒部位:肝臓

中毒症状はビタミンA過剰症。食後30分から12時間で発症し、激しい頭痛、発熱、吐き気、嘔吐、顔面の浮腫がみられ、下痢、腹痛を伴うこともある。2日目ごろから顔面や頭部の皮膚の剥離が始まる。回復には20~30日を要する。

異常脂質
(トリグリセリド、ワックスエステル)

アブラボウズ、アブラソコムツ、バラムツ

有毒部位:筋肉

下痢


二枚貝(アサリ、ヒオウギガイ、カキ、ホタテガイなど)の自然毒

毒種(厚生労働省HPへのリンク)

主な症状

麻痺性貝毒*

中毒症状はフグ毒中毒によく似る。食後30分程度で軽度の麻痺がはじまり、麻痺は次第に全身に広がり、重症の場合には呼吸麻痺により死亡することがある。
麻痺性貝中毒に対する有効な治療法や解毒剤は今のところないが、人工呼吸により呼吸を確保し適切な処置が施されれば確実に延命できる。

下痢性貝毒*

おもな症状は消化器系の障害で、下痢、吐気、嘔吐、腹痛が顕著である。症状は食後30分から4時間以内の短時間で起こる。回復は早く通常は3日以内に回復する。後遺症はなく、死亡例もない。

記憶喪失性貝毒

中毒症状は食後数時間以内に吐気、嘔吐、腹痛、頭痛、下痢が起こり、重症の患者では記憶喪失、混乱、平衡感覚の喪失、けいれんがみられ、昏睡により死亡する場合もある。
日本でも、ムラサキイガイやホタテガイから少量の記憶喪失性貝毒が検出されるが、食中毒を起こすほどのレベルではない。

神経性貝毒

中毒症状は、口内のしびれとひりひり感、運動失調、温度感覚異常などの神経障害を特徴とする。食後1~3時間で症状があらわれる。吐気、腹痛、下痢、嘔吐などの胃腸障害を伴うこともある。
死亡例はなく、日本での中毒例もない。

アザスピロ酸

中毒症状は下痢性貝類によく似る。吐気、嘔吐、腹痛、激しい下痢を起こす。症状は3~18時間続くが、通常数日以内に回復する。
死亡例はなく、日本での中毒例もない。

※県では、浦ノ内湾・浦戸湾・野見湾・宿毛湾・土佐清水で定期的に、麻痺性及び下痢性の貝毒検査を実施しています。(宿毛湾、土佐清水は麻痺性貝毒検査のみ実施)
  検査結果は、漁業振興課ホームページに掲載しています。潮干狩りなどの際には、ぜひご確認ください。

巻貝の自然毒

毒種(厚生労働省HPへのリンク)

対象巻貝

主な症状

唾液腺毒(テトラミン)

エゾバイ科巻貝
(ヒメエゾボラ、エゾボラモドキなど)

激しい頭痛、めまい、船酔い感、酩酊感、足のふらつき、眼底の痛み、眼のちらつき、嘔吐感など。食後30分から1時間で発症し、数時間で回復。死亡することはない。

フグ毒

キンシバイ類などの肉食性巻貝

魚類のフグ毒中毒と同じ

光過敏症

アワビ類

光過敏症。摂取して1日ほど後に、顔面、手、指の発生、はれ、疼痛などが引き起こされる。死亡することはない。
発生はきわめて稀であり、1894年に長崎県で、1947年に岩手県で中毒記録がある程度。

 

魚介類の毒に関する詳細

自然毒のリスクプロファイル(厚生労働省ホームページへ)

 

この記事に関するお問い合わせ

高知県 水産振興部 水産業振興課

所在地: 〒780-0850 高知県高知市丸ノ内1丁目7番52号(西庁舎6階)
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