10−2 派遣契約の中途解除

公開日 2013年12月19日

更新日 2014年03月16日

【相談内容】 (愛媛県労働委員会)


 登録型派遣会社に登録し、派遣社員として1年契約で働いていましたが、3ヶ月経ったところで、派遣先から「プロジェクトが中止になったので、明日から来なくてよい」と言われ解雇されました。派遣元は「次の仕事を紹介するまで待ってくれ」というだけで、その後連絡がありません。どうすればよいのでしょうか。

【お答え】


 まず、派遣先は派遣元との労働者派遣契約を解除することはできますが、あなたと派遣先とは元々雇用契約はありませんから、派遣先での仕事がなくなっても、あなたと派遣元との雇用契約は継続しています。

 一方、派遣元は、あなたとの雇用契約が期間の定めのある契約である以上、期間の途中での契約の解除は、「やむを得ない理由」がない限り無効となり、原則として認められません。(労働契約法第17条第1項)

 従って、派遣元と派遣先は協力し、まずはあなたに同等以上の新たな就業先を確保するなど、契約を実質的に履行すべきであり、新たな就業先が見つかるまでの間は、派遣元はあなたに、休業補償として平均賃金の6割以上を支払わなければならないことが定められています。(労働基準法第26条)

 結果として、新たな就業先の紹介ができず、派遣元があなたを解雇する場合は、解雇予告が必要になりますので、派遣元はあなたに少なくとも30日前に予告をするか、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければなりません。(労働基準法第20条)

 ただし、もともと派遣先に労働者を派遣することを業とする派遣元が、派遣先が見つからないことをもって「やむを得ない理由」が認められる可能性は低く、あなたは派遣元に対し、残りの期間9ヶ月分の賃金全額の支払いを求める権利があり、このことが認められた裁判例もあります。(民法第628条)

 まずは、派遣先責任者と派遣元責任者を確認し、直接苦情を申し述べましょう。両者は連携して苦情処理にあたらなくてはなりません。

 それでも対応が改善されない場合は、ハローワークに相談・申告してみてください。ハローワークは労働者の相談に応じ、必要な助言その他の援助をしてくれます。(派遣法第52条)

 なお、当委には、労使間を仲立ちし、トラブルの解決を図るあっせんという制度があり、無料で利用することができますので、御検討ください。

 その他、一人で入れる労働組合に加入して団体交渉する方法や、裁判上の手続きをとる方法もあります。



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この記事に関するお問い合わせ

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