風しんに注意しましょう

公開日 2024年02月14日

県内で風しん患者の報告がありました

 平成30年11月30日(金)、高知市内の医療機関から風しん患者(20代、女性)の届出がありました。県内での患者報告は、平成27年以来3年ぶりとなります。
 風しんは、現在、首都圏を中心に全国的に患者数が増加しており、平成30年11月末時点で2千人を超えています。これは、平成20年に現在の届出制度になって以降、平成25年の14,344人に次いで過去2番目に多くなっています。患者は、30歳代から50歳代の男性が全体の約7割と多く、この年齢層は、過去にワクチンを接種していなかったり、風しんにかかったことがなく、風しんに対する免疫が十分でない方が多くなっています。
 

関東地方で風しん患者が増加しています

 現在、例年と比較し、関東地方で風しん患者の届出が大幅に増加しています。この時期は、夏休みやお盆休み等で、人の往来が多くなる時期であり、今後、全国的に流行が拡大する可能性があり注意が必要です。
 平成30年第30週から31週(7月23日から8月5日まで)に38例の風しんの届出があり、その多くは30歳代から50歳代の男性です。国の調査において、30歳代から50歳代の男性については、風しんの免疫が十分でない方が2割程度いることがわかっています。
 これまでに、明きらかに風しんにかかったことがある方、風しんの予防接種を受けたことがある方又は風しんに対する十分な免疫があると確認できている方以外の方は、任意での予防接種をご検討ください。
 

風しん、先天性風しん症候群を予防しましょう

風しんについて

 風しんは、風しんウイルスによっておこる急性の発疹性感染症です。主な症状としては、発熱、発疹、リンパ節腫脹などですが、不顕性感染(症状が現れない場合)から、脳炎や血小板減少性紫斑病などの重篤な合併症を併発することもあります。特に成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。
 また、風しんの潜伏期間(症状が現れるまで)は2から3週間(平均16-18日)で、発疹が現れる前後1週間は人に感染させる可能性があり、さらにウイルスに感染しても明らかな症状がでない場合もあることから、感染した人が知らず知らずのうちに感染源となってしまうため注意が必要です。

先天性風しん症候群について

 風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染すると、眼や心臓、耳等に障害をもつ(先天性風しん症候群)子どもが出生することがあります。(妊娠1ヶ月でかかった場合50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%などとされています)。
 先天性風しん症候群について(国立感染症研究所ホームページ)

予防について

 予防には、ワクチンを接種し、風しんに対する免疫を獲得することが有効です。また、風しんに対する十分な免疫があるかどうかは、抗体検査で確認することができます。
 しかしながら、妊娠中の女性は予防接種が受けられないため、特に風しんが流行する地域において、抗体を持たない又は抗体価の低い妊婦は、可能な限り不要不急の外出を避けていただき、やむを得ず外出をする際には可能な限り人混みを避けていただくなど、風しんにかからないように注意してください。また、妊婦の周りにいる人(妊婦の夫、子ども、その他の同居家族等)は、風しんに感染しないよう予防に努めて下さい。

予防接種について

(1)定期の予防接種
 現在、風しんワクチンと麻しんワクチンが一つになった「麻しん風しん混合(MR)ワクチン」が、予防接種法に基づく定期接種として、次の方を対象に接種されています。
  ○ 1歳児(第1期)
  ○ 小学校入学前1年間の幼児(第2期)
  日本の予防接種スケジュールについて(国立感染症研究所ホームページ)
  県内の麻しん風しんの予防接種率について
 

(2)定期以外の予防接種
 妊娠を希望される方やその家族(夫、子ども及びその他の同居家族)、妊婦の家族などで、明きらかに風しんにかかったことがある方、風しんの予防接種を受けたことがある方又は風しんに対する十分な免疫があると確認できている方以外の方は、任意での予防接種をご検討ください。
 また、30歳代から50歳代の男性で、明きらかに風しんにかかったことがある方、風しんの予防接種を受けたことがある方又は風しんに対する十分な免疫があると確認できている方以外の方は、自身の風しんを予防するため及び周りの人への感染予防のために、任意での予防接種をご検討ください。
 

(3)風しん含有ワクチンの定期予防接種制度と年齢の関係(平成30年12月1日時点)

 平成2年4月2日以降に生まれた人は、公費で2回ワクチンを受ける機会がありましたが、昭和37年度から平成元年度に生まれた女性及び昭和54年度から平成元年度に生まれた男性は受けていても1回です。そして、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は1回も接種機会がありませんでした。
 

風しんが疑われる場合は

 発熱や発疹等の症状から風しんが疑われる場合は、必ず事前に医療機関に連絡のうえ、受診してください。受診の際は、マスクを着用し、公共交通機関の利用は避けてください。
 

医療機関の方へ

(1)診察時の留意事項

①発熱や発しんを呈する方を診察した際は、風しんにかかっている可能性を念頭に置き、最近の海外渡航歴や国内旅行歴を聴取し、風しんの罹患歴及び予防接種歴を確認するなど、風しんを意識した診療をお願いします。

②風しんを疑う患者を診察した場合は、県衛生研究所で確定診断のためのウイルス検査を行いますので、所在地を所管する県福祉保健所又は高知市保健所に連絡をお願いします。
また、風しん患者と確定した場合は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第12条第1項の規定に基づき、所在地を所管する県福祉保健所又は高知市保健所へ速やかに届出をお願いします。

(2)県福祉保健所及び高知市保健所の連絡先

保健所名 電話番号
安芸福祉保健所 0887-34-3177
中央東福祉保健所 0887-53-0297
中央西福祉保健所 0889-22-1247
須崎福祉保健所 0889-42-1875
幡多福祉保健所 0880-34-5120
高知市保健所 088-822-0577

 ※土日祝日や上記連絡先につながらない場合は、高知県庁代表(088-823-1111)へ連絡をお願いします。

参考

風しんについて(厚生労働省ホームページ)
風しんとは(国立感染症研究所ホームページ)
先天性風しん症候群について(国立感染症研究所ホームページ)
風しんQ&A(国立感染症研究所ホームページ)
先天性風疹症候群に関するQ&A(国立感染症研究所ホームページ)
風しん発生動向調査(国立感染症研究所ホームページ)
日本の予防接種スケジュールについて(国立感染症研究所ホームページ)
 

 


 


 

 

 

この記事に関するお問い合わせ

高知県 健康政策部 健康対策課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: がん・企画担当 088-823-9674
難病担当 088-823-9678
088-823-9684
感染症担当 088-823-9677
新興感染症担当 088-823-9092
ファックス: 088-873-9941
メール: 130401@ken.pref.kochi.lg.jp
Topへ