公開日 2013年03月27日
更新日 2014年03月30日
2002年11月14日
第4回INAPシンポジウム:コロンボ港(スリランカ港湾庁)
「第4回INAPシンポジウム」報告
スリランカはINAPの創設会員であることを誇りとしています。また、INAP創設の父として故アシュラフ大臣閣下ならびに日本の橋本大二郎知事閣下が果たされた功績を高く評価しています。
故アシュラフ大臣閣下がご他界されたことは、わが国におけるINAPの進展に大きな空隙を作った一大事でありましたが、しかし、わが国は大臣閣下のお志を引き継ぎ、INAPのビジョンおよび目的を堅持し、
その実現にむけて努力をしていることを、ここに申し上げたいと存じ
ます。
とくに強調しなければならないことは、INAPのコンセプトは、ますます競争が激化する港湾および海運業界でこれまでにも増して重要性を帯びていることであります。海運業界は同盟を組織しており、港湾のいくつかも同盟を形成しているものもあります。1998年にINAPが誕生したときに発表された重要なコンセプトは、世界中でも重要視されており、適用されているのであります。
このような世界的傾向を見ますと、港湾間の相互協力と港湾活動、海運業界の活動の最前線に関する情報の交換がますます必要になっているといえます。過去4年、INAPは徐々に成長をしてきました。
しかし、INAPの短期・長期のビジョンに明示されているコンセプトの実施については、小委員会のようなものを形成し、はっきりとした目的と達成スケジュールを明示し、電子会議などバーチャル会議を駆使して行うことが求められます。
「環境にやさしい社会と平和と調和の取れた地球と有効と調和の共存の実現」に向けたビジョンと目標を達成する作業は必要であり、スリランカは最善を尽くしこの目標の実現に向けて努力をしてまいります。
スリランカ港湾局は、INAP各会員港との経験や知識の情報交換も続けていこうというコミットメントにおいて、スリランカの各港湾の近況について、開発と構造改革の契機となった背景ならびに理由を会員各港とシェアしたいと考えています。
近年、国際海運にも技術の波が押し寄せ、コンピュータ管理が導入されており、その運営の性格はめまぐるしく変化しています。この傾向は、当然のことながら、世界の港湾にも、悲喜こもごもの影響を与えており、時代の波に追いつくべく、開発と再開発を余儀なくされております。時代の波に追いつけないということは、急激に変化する海運の進歩に取り残されることを意味します。世界の政治経済事情の変化とその結果としての貿易に及ぼす影響は、世界の港湾、海運にも広範に蚕食しています。したがって、世界の海運業が生き残ることができるかどうかは、港湾運営および港湾業務全般の効率性と生産性の向上に大きく依存しているのであり、もって、港湾にも、インフラ整備、効率性確保、スタッフのモチベーション向上の必要として大きな圧力が及ぼされております。
このような背景にあって、スリランカ港湾局は将来に向けてこの要求を満たすため、数々の改革事業を打ち出しました。たとえば、コロンボ港、ゴール港、トリンコマリー港のインフラ整備、カンカサンドゥライ港、ポイントペドロ港の改築、オルビル港、ハンバントタ港における港湾施設の新規建造があります。また、構造的改革、効率性・生産性向上にも力をいれております。
日本政府の援助のおかげでコンテナのハブ港に生まれ変わったコロンボ港は、現在、非常に狭いノースピアの拡張と、最新の貨物取扱設備とコンピュータ装置を装備したコンテナ取扱施設への改造が行われています。北部ターミナルは、セメントも取り扱えるさまざまな運送人に使用していただくことができ、そのため、従来型の運営方法である貨物の渋滞を柔軟に解消するように作られます。
港湾を浚渫し14mから15mの水深を確保すること、港湾への進入部を15mから16mへの拡張、北部の進入部を11mから13mに拡張する工事はまもなく完了します。また、ジェインコンテナターミナルのバース3ヶ所から4ヶ所も、すでに深さが15mに浚渫されています。
さらにクイーン・エリザベス埠頭は、サウスアジア・ゲートウエイ・ ターミナル社により再開発が進行しており、水深15m級のバース3ヶ所が建設されています。うち1つは既に供用されており、2つ目もまもなく完成です。
ますます大規模になる船舶を受け入れるため、既存の港湾施設をアップグレードするだけではなく、コロンボ港の既存の港湾施設の外側に、より深い喫水の船を受け入れることができる施設の開発をすることをスリランカ港湾局は考えています。南部の港湾については、クイーン・エリザベス埠頭の外側に、水深20mの施設を開発することが計画されています。この計画の実現可能性調査は完了し、コンサルタントにより詳細デザインの選択に入っています。
地方港であるゴール港は、現在、水深が浅いことから非常に使い勝手が悪く、水深12m級のマルチユーザーバースの建設を優先事項に、開発がすすめられています。浚渫経費を削減するため、大きな岩礁の露出部の上に建設が設計されています。
トリンコマリー港は、わが国でも最大級の港湾施設です。したがって、港湾開発も慎重に進め、わが国経済活動全般にわたり、この港の潜在能力を最大化させることが必要です。つまり、宝石細工人が宝石を光らせるような繊細性が必要であります。つまり、開発には、慎重に設計された土地利用計画が必要なのであります。内陸部と海岸部を異なる経済活動に利用するよう明確化して計画することにより、さまざまな経済活動が調和と共存をもって実施され、国家に最大の経済的利益
をもたらすようにすることが必要です。チャイナ湾からクラッペンブルグ湾にかけてという港湾活動にとって理想的な地理的環境にあることを十分に考慮することにより、開発を慎重に計画し、水際にある港湾公共施設を最大限に活用するとともに、投資をウォータフロントエリアからもどし、バース施設にコモンユーザーがアクセスすることができるようにして、ウォータフロントエリアにおける港湾関連活動の効果を最大限に引き出し、もって、国家の工業、ビジネスおよび全体的な経済の繁栄をもたらすことが必要です。
スリランカ港湾局は、初となるコモンユーザー用多目的バースをチャイナ湾に建設しました。このバースは、水深13m、延長290m、幅90mで、40,000DWT規模の船舶が入港することができます。
カンカサンドゥライ港は、防波堤の補修、沈没船の除去、バースの再建を直ちに必要とします。補修計画は進行中であり、建設はできるだけ早く実施されることになっています。ポイントペドロ港の港湾施設開発は、いま見直し段階です。
東海岸のオルビル港の港湾開発に関する実現可能性調査は終わりました。オランダ資金支援を待って開発が実行に移されます。開発が完了したら、11m級のバース2基、小型船舶用水深3mのドックが供用されることになります。開発第一期は、小型船舶のドックと8m級のバースを中心に工事が進められます。
また、南部のハンバントタの開発も重要であり、ハンバントタ港は、開発の触媒的存在として、実施されています。カナダのSNCラバリン社とのコンサルタンシー契約が成立し、2003年8月から9月にかけて、銀行支援の実現可能性調査がカナダ政府の支援で進められます。また、他にもスリランカ港湾局は、さまざまな港湾改良、効率性向上を達成してきました。とくに、古くから問題となってきた収賄については、ジャヤコンテナターミナルでは根絶され、さらに効率性と生産性の向上およ
びスタッフのモチベーションの改善が期待されています。これらの改革によりコロンボ港の国際的港湾としての魅力は、世界の要衝に位置するという地理的優位性をはるかに凌駕するものとなっているのです。
故アシュラフ大臣閣下がご他界されたことは、わが国におけるINAPの進展に大きな空隙を作った一大事でありましたが、しかし、わが国は大臣閣下のお志を引き継ぎ、INAPのビジョンおよび目的を堅持し、
その実現にむけて努力をしていることを、ここに申し上げたいと存じ
ます。
とくに強調しなければならないことは、INAPのコンセプトは、ますます競争が激化する港湾および海運業界でこれまでにも増して重要性を帯びていることであります。海運業界は同盟を組織しており、港湾のいくつかも同盟を形成しているものもあります。1998年にINAPが誕生したときに発表された重要なコンセプトは、世界中でも重要視されており、適用されているのであります。
このような世界的傾向を見ますと、港湾間の相互協力と港湾活動、海運業界の活動の最前線に関する情報の交換がますます必要になっているといえます。過去4年、INAPは徐々に成長をしてきました。
しかし、INAPの短期・長期のビジョンに明示されているコンセプトの実施については、小委員会のようなものを形成し、はっきりとした目的と達成スケジュールを明示し、電子会議などバーチャル会議を駆使して行うことが求められます。
「環境にやさしい社会と平和と調和の取れた地球と有効と調和の共存の実現」に向けたビジョンと目標を達成する作業は必要であり、スリランカは最善を尽くしこの目標の実現に向けて努力をしてまいります。
スリランカ港湾局は、INAP各会員港との経験や知識の情報交換も続けていこうというコミットメントにおいて、スリランカの各港湾の近況について、開発と構造改革の契機となった背景ならびに理由を会員各港とシェアしたいと考えています。
近年、国際海運にも技術の波が押し寄せ、コンピュータ管理が導入されており、その運営の性格はめまぐるしく変化しています。この傾向は、当然のことながら、世界の港湾にも、悲喜こもごもの影響を与えており、時代の波に追いつくべく、開発と再開発を余儀なくされております。時代の波に追いつけないということは、急激に変化する海運の進歩に取り残されることを意味します。世界の政治経済事情の変化とその結果としての貿易に及ぼす影響は、世界の港湾、海運にも広範に蚕食しています。したがって、世界の海運業が生き残ることができるかどうかは、港湾運営および港湾業務全般の効率性と生産性の向上に大きく依存しているのであり、もって、港湾にも、インフラ整備、効率性確保、スタッフのモチベーション向上の必要として大きな圧力が及ぼされております。
このような背景にあって、スリランカ港湾局は将来に向けてこの要求を満たすため、数々の改革事業を打ち出しました。たとえば、コロンボ港、ゴール港、トリンコマリー港のインフラ整備、カンカサンドゥライ港、ポイントペドロ港の改築、オルビル港、ハンバントタ港における港湾施設の新規建造があります。また、構造的改革、効率性・生産性向上にも力をいれております。
日本政府の援助のおかげでコンテナのハブ港に生まれ変わったコロンボ港は、現在、非常に狭いノースピアの拡張と、最新の貨物取扱設備とコンピュータ装置を装備したコンテナ取扱施設への改造が行われています。北部ターミナルは、セメントも取り扱えるさまざまな運送人に使用していただくことができ、そのため、従来型の運営方法である貨物の渋滞を柔軟に解消するように作られます。
港湾を浚渫し14mから15mの水深を確保すること、港湾への進入部を15mから16mへの拡張、北部の進入部を11mから13mに拡張する工事はまもなく完了します。また、ジェインコンテナターミナルのバース3ヶ所から4ヶ所も、すでに深さが15mに浚渫されています。
さらにクイーン・エリザベス埠頭は、サウスアジア・ゲートウエイ・ ターミナル社により再開発が進行しており、水深15m級のバース3ヶ所が建設されています。うち1つは既に供用されており、2つ目もまもなく完成です。
ますます大規模になる船舶を受け入れるため、既存の港湾施設をアップグレードするだけではなく、コロンボ港の既存の港湾施設の外側に、より深い喫水の船を受け入れることができる施設の開発をすることをスリランカ港湾局は考えています。南部の港湾については、クイーン・エリザベス埠頭の外側に、水深20mの施設を開発することが計画されています。この計画の実現可能性調査は完了し、コンサルタントにより詳細デザインの選択に入っています。
地方港であるゴール港は、現在、水深が浅いことから非常に使い勝手が悪く、水深12m級のマルチユーザーバースの建設を優先事項に、開発がすすめられています。浚渫経費を削減するため、大きな岩礁の露出部の上に建設が設計されています。
トリンコマリー港は、わが国でも最大級の港湾施設です。したがって、港湾開発も慎重に進め、わが国経済活動全般にわたり、この港の潜在能力を最大化させることが必要です。つまり、宝石細工人が宝石を光らせるような繊細性が必要であります。つまり、開発には、慎重に設計された土地利用計画が必要なのであります。内陸部と海岸部を異なる経済活動に利用するよう明確化して計画することにより、さまざまな経済活動が調和と共存をもって実施され、国家に最大の経済的利益
をもたらすようにすることが必要です。チャイナ湾からクラッペンブルグ湾にかけてという港湾活動にとって理想的な地理的環境にあることを十分に考慮することにより、開発を慎重に計画し、水際にある港湾公共施設を最大限に活用するとともに、投資をウォータフロントエリアからもどし、バース施設にコモンユーザーがアクセスすることができるようにして、ウォータフロントエリアにおける港湾関連活動の効果を最大限に引き出し、もって、国家の工業、ビジネスおよび全体的な経済の繁栄をもたらすことが必要です。
スリランカ港湾局は、初となるコモンユーザー用多目的バースをチャイナ湾に建設しました。このバースは、水深13m、延長290m、幅90mで、40,000DWT規模の船舶が入港することができます。
カンカサンドゥライ港は、防波堤の補修、沈没船の除去、バースの再建を直ちに必要とします。補修計画は進行中であり、建設はできるだけ早く実施されることになっています。ポイントペドロ港の港湾施設開発は、いま見直し段階です。
東海岸のオルビル港の港湾開発に関する実現可能性調査は終わりました。オランダ資金支援を待って開発が実行に移されます。開発が完了したら、11m級のバース2基、小型船舶用水深3mのドックが供用されることになります。開発第一期は、小型船舶のドックと8m級のバースを中心に工事が進められます。
また、南部のハンバントタの開発も重要であり、ハンバントタ港は、開発の触媒的存在として、実施されています。カナダのSNCラバリン社とのコンサルタンシー契約が成立し、2003年8月から9月にかけて、銀行支援の実現可能性調査がカナダ政府の支援で進められます。また、他にもスリランカ港湾局は、さまざまな港湾改良、効率性向上を達成してきました。とくに、古くから問題となってきた収賄については、ジャヤコンテナターミナルでは根絶され、さらに効率性と生産性の向上およ
びスタッフのモチベーションの改善が期待されています。これらの改革によりコロンボ港の国際的港湾としての魅力は、世界の要衝に位置するという地理的優位性をはるかに凌駕するものとなっているのです。
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