公開日 2013年03月27日
更新日 2014年03月30日
2002年11月14日
第4回INAPシンポジウム:青島港(青島港務局)
「港湾管理及び近代ロジスティクス」
皆様、こんにちは。
さて、この美しいスービック湾港で開催されます第4回INAPシンポジウムにお招きをいただき、さまざまな専門家の先生方から国際港湾開発のトレンドについて、啓発的なお話を伺え、非常に光栄に存じます。
INAPシンポジウムを開催することは、もちろん、友好港湾の間の取引と技術情報交換の促進につながるものと拝察いたします。これから港湾運営および現代ロジスティクスについてお話させていただきます。
1. 近代的ロジスティクスの展開における港湾の役割
経済のグローバル化およびITの進歩とともに、近代的ロジスティクスは、費用の低減と効率性の向上という2つのテーマを実現することができる経済的な総合運輸形態になりつつあり、さまざまな政府や企業がこれに注目しております。統計によりますと、貿易の90%以上が海上運送を利用しています。
港湾はロジスティックサービスが行われる場所としての性格を有しています。港湾施設と、いわゆるロジスティックサービス会社の違いは、港湾は陸上と
海上運送の分岐点であり、海上運送から道路、陸上、鉄道、パイプ輸送へとリレーが行われる場所であるという点であり、世界の貨物運送の大部分を海上運送が担っています。したがって、港湾は世界のロジスティックチェーンのなかにおける重要な要素であり、非常に大量の貨物を取り扱うことを要求されています。今日の世界の港湾を見ますと、それぞれ、さまざまな微調整が進行しており、単なる貨物の積み下ろし作業の場所から、世界への貨物の発送、総合的ロジスティックサービスの場所へと変化がしていることがわかります。港湾では大量の貨物が取り扱われ、ロジスティックという意味で戦
略的に重要な位置にあることから、港湾は近代的ロジスティクスの担い手としての存在を必然的に要求されています。多くの先進国では、港湾運営に近代的なロジスティクスを導入してきました。その過程において港湾関連産業が繁栄し、また逆に港湾関連産業の発展が港湾ロジスティクスの発展をもたらしてきました。このようにして、循環的連鎖が形成されています。
2. 近代的ロジスティクスを導入する絶好の機会
中華人民共和国の世界貿易機構(WTO)加盟ならびに、その経済の持続的成長により、わが国の港湾ロジスティクスに絶好のチャンスが訪れています。まず、わが国が世界貿易機構に加盟することにより、港湾ロジスティクスが扱うべき市場の幅が大きく拡大されました。経済のグローバル化と製造の国際化とともに、貿易規制は緩和され、わが国市場にも外国製品が導入することが期待されます。それとともに、わが国の製品も世界市場に登場することになるでしょう。
このように2重の流れは港湾ロジスティクスの発展を確実に加速させます。わが国がWTOに加盟することにより、わが国の造船、運輸、流通、卸売りなどの市場も段階的に世界市場に開放されていくでしょうし、海外のロジスティック会社も中国市場にどんどんと参入してくることでしょう。先進の考え方、経験、ノウハウ、専門性が導入され、中国のロジスティック産業も大きく発展することと思われます。
第二には、中国経済の持続的成長は、港湾ロジスティクスが発展する確固とした素地を醸成しました。加速する改革と市場の開放によりわが国経済は、20年間以上も高度経済成長を続けています。世界市場の成長率が4%から2%に鈍化したときも、わが国経済は年成長率7%で推移しており、経済の規模ならびに国際貿易量は、世界第6位にランクインしました。2001年の数字では、わが国の国内総生産(GDP)は1兆1,700億米ドルを凌駕し、国際貿易量も5,000億米ドルを超えています。WTO加盟はわが国に、貿易量の3%増をもたらすことが予想され、したがって、わが国は、世界経済のなかで、最も有
望で魅力的な市場となります。将来も変わらず、貿易取引は海上運送を中心として行われることは予測されますし、したがって、港湾ロジスティクスの将来は明るいといえます。ロジスティクスネットワークを中心に港湾を発展させることは、わが国のロジスティック産業に大きな刺激となるでしょう。
3. 青島港における近代的ロジスティクス導入の6つの特徴
青島港は110年の歴史を有する巨大港であり、これまでコンテナ、石炭、原油、銑鉄や小規模貨物を専門に取り扱ってきました。また、国内・海外の旅客のサービスも行ってきました。2001年の数字では、中国本土で第二位の取扱量を誇る青島港における貨物取扱量は、1億400万トンであり、うち7,000万トンを超えるスループットが貿易によるものです。コンテナのスループットは264万TEUで世界第19位です。今年(2002年)は、総スループットで1億2,000万TEUを見込んでおり、うち、340万TEUをコンテナ業務で占め、わが国に15ヶ所あるコンテナ港のうち第1位になることが見込まれています。
世界の海運産業や近代的ロジスティックスのトレンドに遅れをとらぬよう、青島港では、わが国北部に国際シッピングセンターの建設を加速化させています。
特に、青島港は次の6つの特徴に恵まれています。まず、交通の要衝に位置すること。青島港は、わが国3大経済圏の1つの渤海湾経済圏の縁に位置しております。その近辺には、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアの船舶の主要航路があります。背後に良好な経済地域を擁し、海上輸送にも便利なため、青島港は黄海流域で最大のゲートウエイであり、西太平洋圏の主要港の1つに位置付けられます。
第2に、第一級の施設を有すること。膠州湾は水深が深く、その周辺に港湾施設が所在しています。この場所は、沈泥や氷がなく、大規模港湾施設を設置するには良好な自然環境にあります。数年かけて工事が行われ、いまや、
青島港には、中国本土で最大規模のコンテナターミナル、原油ターミナル、鉄ターミナルが設置されているほか、先進の石炭施設もあります。輸入穀物の増加に伴い、港湾には大規模なサイロが林立しています。EDIセンターはわが国有数の設備を有しており、コンテナ業務拡張に大きな役割を果たしてきました。
コンテナターミナル建設第三期が現在継続中であり、岸壁のバースが7つ建設されており、その総延長は2,400mです。現在まで、800mの岸壁が供用されております。バースの水深は16.5mです。建設第三期では、岸壁に延長65m、荷重最大許容量65トンのコンテナクレーンが建設されます。8,000~10,000TEUレベルの船舶を収容することができます。インフラの点からも、上部構造物の点からも、青島港は世界の主要コンテナ港の1つに数えられるのです。
第3には、青島港は便利で迅速な輸送ネットワークに接続しています。鉄道、高速道路、水路、パイプなど、青島港は多機能な輸送システムが装備されています。青島港は現在、世界130カ国、450港と海上接続しています。わが国全土に52の営業所を有し、青島港は中国内でも非常に大きな存在です。10以上のコンテナ鉄道とも接続しており、わが国北部のその他の港湾に比べると、非常に地理的に優位にあるといえます。1日の寄航数は30隻以上であり、したがって、多くの船舶会社が貨物の積み替え拠点を青島港においているのもその理由であります。
第4には、情報ネットワーク機器の充実が挙げられます。近代的なロジスティクスにはITは欠かせません。青島港では数年の努力により、わが国本土の中でも最大規模で先進の情報技術センターを立ち上げました。港のEDIセンターはす
べての船会社、お客様、代理店様、荷主様と接続しており、自動情報交換が行われています。独自のコンテナ業務管理システムは、貨物が入港してから綿密な管理を実行しており、貨物情報をリアルタイムで追跡することも、今では夢ではありません。
第5には、貨物配送センターとして十分に確立されていることです。青島港は銑鉄、原油の輸入の拠点であり、リーファーコンテナ施設では最大の施設を有しています。石炭、穀物、肥料、鉄鋼の輸出拠点として重要であり、10,000トンの収容量を誇る倉庫施設により、適時配送を実現しています。キャピタル・ スチール、バオスチールなどの大手鉄鋼メーカーが青島港を拠点とした適時配送サービスを開始しました。また最近では、20社以上の穀物会社や肥料メーカーが同様のサービスを開始しています。特に、本年上半期には、12社ほどのロジスティック会社が新港湾地区外周にオフィスを設置し、コンテナ
関連のロジスティックサービスを提供しています。
第6には、集中的な協力体制により、港湾では両当事者に益となる事業が開発されていることです。現在まで、青島港は海外8つの港湾施設と友好港関係を締結しており、国際的な交流活動も活発に行われています。世界上位20社の海上運送会社すべてが青島港で業務を行っておりますし、また、主要な炭鉱、製鉄工場などとの関係も良好です。P&O、Sinopec、Cosco、OOCL、Evergreenなどの大手船会社がターミナル建設、デポなどの港湾内部施設に投資しています。このような協力関係により、安心できる貨物取り扱いが実現されています。
4.青島港におけるロジスティック業務展開の6つの機能と5つのステップ青島港は、環境の変化に対応するため、現有の優れた施設を活用し、6つの機能を強化することにより、ロジスティックの効率化をはかります。その6つの機能を説明しましょう。
1.管理運営の近代化を図り、貨物運送の基幹港としての機能を強化すること。
2.港湾隣接地域からの投資を誘致することにより、港湾関連業務の発展を図ること。
3. 湾地域内外に大規模ロジスティックパークを建設することにより、倉庫業務や配送業務の機能の最適化をはかり、倉庫、梱包、加工、配送など付加価値の高いサービスを提供すること。
4. 自由貿易港として港湾を建設し、取引条件の優位化をはかること。この機能は、国としてのサポートを必要とするが、港としての業績いかんにかかる問題。
5. ITコミュニティとしての機能。つまり、関係するすべての組織を統合した情報技術を開発することにより、より早く、より効率的なバーチャルコミュニティーを実現する。
6. 金融サービス機能。金融関係の企業を港湾内部に誘致して、総合的なロジスティック業務を提供する。
この6つの機能を提供するには、近い将来に5つのステップをとることが必要となります。
まず、さらに配送システムを合理化しなければなりません。そのためには、鉄道、水運、道路運送の各企業と協力することにより、運送能力を向上させることが必要になります。ドックでの貨物取扱量も向上させなければなりません。現存する埠頭をより効率的にすることに加え、新しいターミナルを青島前湾第三期工事として建設しております。
第2のステップは、専門のロジスティック会社と協力して、港湾部周辺にロジスティックパークを建設し、企業を誘致して、このパーク内で貨物を取り扱ってもらい、青島港を運輸拠点港として使用してもらうことです。
第3のステップは、全国に52ヶ所ある地方事務所を統合し、総合的なデータベースを構築するとともに、港湾施設に関係するすべての組織を回線で接続して、荷主様にカスタマイズしたサービスを提供することです。
第4のステップは、内陸の経済圏にバーチャル港を建設し、主要大都市圏の荷主様に総合サービスパッケージを提供することです。たとえば、貨物の検査、通関業務、運送、文書作成などを提供します。このようなサービスを提供することにより、より競争力のある港湾とすることができます。
第5のステップは、検査通関業務の簡素化です。これにより入港してきた貨物は、これまでよりは早く出荷させることができます。
青島港は向こう5年間で達成するべき大きな希望をもっています。すなわち、総スループット量を1、000万トンとし、コンテナ取り扱いをうち30%とすることです。2005年までには、総取扱量は1億5、000万トンを超えるものと推定されており、コンテナ取り扱いも700万TEUになるものと試算されています。また、2010年には、それぞれ2億トン、1、000万TEUが試算されています。これが実現するまでには、青島港はわが国北部の国際海運センター、一大ロジスティックスセンターに成長している
ことでしょう。
数日前、青島市人民政府は、青島前湾新港エリアの2、700万平方メートルをロジスティック開発に割り当てました。このことから判断すると、青島港のロジスティック業務の将来は非常に明るいと思われます。
おしまいに、INAP2002が成功裏に終了することを祈念するとともに、ご参集の皆様には、ぜひ青島港を訪れていただきたいと希望する次第であります。
御清聴まことにありがとうございました。
さて、この美しいスービック湾港で開催されます第4回INAPシンポジウムにお招きをいただき、さまざまな専門家の先生方から国際港湾開発のトレンドについて、啓発的なお話を伺え、非常に光栄に存じます。
INAPシンポジウムを開催することは、もちろん、友好港湾の間の取引と技術情報交換の促進につながるものと拝察いたします。これから港湾運営および現代ロジスティクスについてお話させていただきます。
1. 近代的ロジスティクスの展開における港湾の役割
経済のグローバル化およびITの進歩とともに、近代的ロジスティクスは、費用の低減と効率性の向上という2つのテーマを実現することができる経済的な総合運輸形態になりつつあり、さまざまな政府や企業がこれに注目しております。統計によりますと、貿易の90%以上が海上運送を利用しています。
港湾はロジスティックサービスが行われる場所としての性格を有しています。港湾施設と、いわゆるロジスティックサービス会社の違いは、港湾は陸上と
海上運送の分岐点であり、海上運送から道路、陸上、鉄道、パイプ輸送へとリレーが行われる場所であるという点であり、世界の貨物運送の大部分を海上運送が担っています。したがって、港湾は世界のロジスティックチェーンのなかにおける重要な要素であり、非常に大量の貨物を取り扱うことを要求されています。今日の世界の港湾を見ますと、それぞれ、さまざまな微調整が進行しており、単なる貨物の積み下ろし作業の場所から、世界への貨物の発送、総合的ロジスティックサービスの場所へと変化がしていることがわかります。港湾では大量の貨物が取り扱われ、ロジスティックという意味で戦
略的に重要な位置にあることから、港湾は近代的ロジスティクスの担い手としての存在を必然的に要求されています。多くの先進国では、港湾運営に近代的なロジスティクスを導入してきました。その過程において港湾関連産業が繁栄し、また逆に港湾関連産業の発展が港湾ロジスティクスの発展をもたらしてきました。このようにして、循環的連鎖が形成されています。
2. 近代的ロジスティクスを導入する絶好の機会
中華人民共和国の世界貿易機構(WTO)加盟ならびに、その経済の持続的成長により、わが国の港湾ロジスティクスに絶好のチャンスが訪れています。まず、わが国が世界貿易機構に加盟することにより、港湾ロジスティクスが扱うべき市場の幅が大きく拡大されました。経済のグローバル化と製造の国際化とともに、貿易規制は緩和され、わが国市場にも外国製品が導入することが期待されます。それとともに、わが国の製品も世界市場に登場することになるでしょう。
このように2重の流れは港湾ロジスティクスの発展を確実に加速させます。わが国がWTOに加盟することにより、わが国の造船、運輸、流通、卸売りなどの市場も段階的に世界市場に開放されていくでしょうし、海外のロジスティック会社も中国市場にどんどんと参入してくることでしょう。先進の考え方、経験、ノウハウ、専門性が導入され、中国のロジスティック産業も大きく発展することと思われます。
第二には、中国経済の持続的成長は、港湾ロジスティクスが発展する確固とした素地を醸成しました。加速する改革と市場の開放によりわが国経済は、20年間以上も高度経済成長を続けています。世界市場の成長率が4%から2%に鈍化したときも、わが国経済は年成長率7%で推移しており、経済の規模ならびに国際貿易量は、世界第6位にランクインしました。2001年の数字では、わが国の国内総生産(GDP)は1兆1,700億米ドルを凌駕し、国際貿易量も5,000億米ドルを超えています。WTO加盟はわが国に、貿易量の3%増をもたらすことが予想され、したがって、わが国は、世界経済のなかで、最も有
望で魅力的な市場となります。将来も変わらず、貿易取引は海上運送を中心として行われることは予測されますし、したがって、港湾ロジスティクスの将来は明るいといえます。ロジスティクスネットワークを中心に港湾を発展させることは、わが国のロジスティック産業に大きな刺激となるでしょう。
3. 青島港における近代的ロジスティクス導入の6つの特徴
青島港は110年の歴史を有する巨大港であり、これまでコンテナ、石炭、原油、銑鉄や小規模貨物を専門に取り扱ってきました。また、国内・海外の旅客のサービスも行ってきました。2001年の数字では、中国本土で第二位の取扱量を誇る青島港における貨物取扱量は、1億400万トンであり、うち7,000万トンを超えるスループットが貿易によるものです。コンテナのスループットは264万TEUで世界第19位です。今年(2002年)は、総スループットで1億2,000万TEUを見込んでおり、うち、340万TEUをコンテナ業務で占め、わが国に15ヶ所あるコンテナ港のうち第1位になることが見込まれています。
世界の海運産業や近代的ロジスティックスのトレンドに遅れをとらぬよう、青島港では、わが国北部に国際シッピングセンターの建設を加速化させています。
特に、青島港は次の6つの特徴に恵まれています。まず、交通の要衝に位置すること。青島港は、わが国3大経済圏の1つの渤海湾経済圏の縁に位置しております。その近辺には、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアの船舶の主要航路があります。背後に良好な経済地域を擁し、海上輸送にも便利なため、青島港は黄海流域で最大のゲートウエイであり、西太平洋圏の主要港の1つに位置付けられます。
第2に、第一級の施設を有すること。膠州湾は水深が深く、その周辺に港湾施設が所在しています。この場所は、沈泥や氷がなく、大規模港湾施設を設置するには良好な自然環境にあります。数年かけて工事が行われ、いまや、
青島港には、中国本土で最大規模のコンテナターミナル、原油ターミナル、鉄ターミナルが設置されているほか、先進の石炭施設もあります。輸入穀物の増加に伴い、港湾には大規模なサイロが林立しています。EDIセンターはわが国有数の設備を有しており、コンテナ業務拡張に大きな役割を果たしてきました。
コンテナターミナル建設第三期が現在継続中であり、岸壁のバースが7つ建設されており、その総延長は2,400mです。現在まで、800mの岸壁が供用されております。バースの水深は16.5mです。建設第三期では、岸壁に延長65m、荷重最大許容量65トンのコンテナクレーンが建設されます。8,000~10,000TEUレベルの船舶を収容することができます。インフラの点からも、上部構造物の点からも、青島港は世界の主要コンテナ港の1つに数えられるのです。
第3には、青島港は便利で迅速な輸送ネットワークに接続しています。鉄道、高速道路、水路、パイプなど、青島港は多機能な輸送システムが装備されています。青島港は現在、世界130カ国、450港と海上接続しています。わが国全土に52の営業所を有し、青島港は中国内でも非常に大きな存在です。10以上のコンテナ鉄道とも接続しており、わが国北部のその他の港湾に比べると、非常に地理的に優位にあるといえます。1日の寄航数は30隻以上であり、したがって、多くの船舶会社が貨物の積み替え拠点を青島港においているのもその理由であります。
第4には、情報ネットワーク機器の充実が挙げられます。近代的なロジスティクスにはITは欠かせません。青島港では数年の努力により、わが国本土の中でも最大規模で先進の情報技術センターを立ち上げました。港のEDIセンターはす
べての船会社、お客様、代理店様、荷主様と接続しており、自動情報交換が行われています。独自のコンテナ業務管理システムは、貨物が入港してから綿密な管理を実行しており、貨物情報をリアルタイムで追跡することも、今では夢ではありません。
第5には、貨物配送センターとして十分に確立されていることです。青島港は銑鉄、原油の輸入の拠点であり、リーファーコンテナ施設では最大の施設を有しています。石炭、穀物、肥料、鉄鋼の輸出拠点として重要であり、10,000トンの収容量を誇る倉庫施設により、適時配送を実現しています。キャピタル・ スチール、バオスチールなどの大手鉄鋼メーカーが青島港を拠点とした適時配送サービスを開始しました。また最近では、20社以上の穀物会社や肥料メーカーが同様のサービスを開始しています。特に、本年上半期には、12社ほどのロジスティック会社が新港湾地区外周にオフィスを設置し、コンテナ
関連のロジスティックサービスを提供しています。
第6には、集中的な協力体制により、港湾では両当事者に益となる事業が開発されていることです。現在まで、青島港は海外8つの港湾施設と友好港関係を締結しており、国際的な交流活動も活発に行われています。世界上位20社の海上運送会社すべてが青島港で業務を行っておりますし、また、主要な炭鉱、製鉄工場などとの関係も良好です。P&O、Sinopec、Cosco、OOCL、Evergreenなどの大手船会社がターミナル建設、デポなどの港湾内部施設に投資しています。このような協力関係により、安心できる貨物取り扱いが実現されています。
4.青島港におけるロジスティック業務展開の6つの機能と5つのステップ青島港は、環境の変化に対応するため、現有の優れた施設を活用し、6つの機能を強化することにより、ロジスティックの効率化をはかります。その6つの機能を説明しましょう。
1.管理運営の近代化を図り、貨物運送の基幹港としての機能を強化すること。
2.港湾隣接地域からの投資を誘致することにより、港湾関連業務の発展を図ること。
3. 湾地域内外に大規模ロジスティックパークを建設することにより、倉庫業務や配送業務の機能の最適化をはかり、倉庫、梱包、加工、配送など付加価値の高いサービスを提供すること。
4. 自由貿易港として港湾を建設し、取引条件の優位化をはかること。この機能は、国としてのサポートを必要とするが、港としての業績いかんにかかる問題。
5. ITコミュニティとしての機能。つまり、関係するすべての組織を統合した情報技術を開発することにより、より早く、より効率的なバーチャルコミュニティーを実現する。
6. 金融サービス機能。金融関係の企業を港湾内部に誘致して、総合的なロジスティック業務を提供する。
この6つの機能を提供するには、近い将来に5つのステップをとることが必要となります。
まず、さらに配送システムを合理化しなければなりません。そのためには、鉄道、水運、道路運送の各企業と協力することにより、運送能力を向上させることが必要になります。ドックでの貨物取扱量も向上させなければなりません。現存する埠頭をより効率的にすることに加え、新しいターミナルを青島前湾第三期工事として建設しております。
第2のステップは、専門のロジスティック会社と協力して、港湾部周辺にロジスティックパークを建設し、企業を誘致して、このパーク内で貨物を取り扱ってもらい、青島港を運輸拠点港として使用してもらうことです。
第3のステップは、全国に52ヶ所ある地方事務所を統合し、総合的なデータベースを構築するとともに、港湾施設に関係するすべての組織を回線で接続して、荷主様にカスタマイズしたサービスを提供することです。
第4のステップは、内陸の経済圏にバーチャル港を建設し、主要大都市圏の荷主様に総合サービスパッケージを提供することです。たとえば、貨物の検査、通関業務、運送、文書作成などを提供します。このようなサービスを提供することにより、より競争力のある港湾とすることができます。
第5のステップは、検査通関業務の簡素化です。これにより入港してきた貨物は、これまでよりは早く出荷させることができます。
青島港は向こう5年間で達成するべき大きな希望をもっています。すなわち、総スループット量を1、000万トンとし、コンテナ取り扱いをうち30%とすることです。2005年までには、総取扱量は1億5、000万トンを超えるものと推定されており、コンテナ取り扱いも700万TEUになるものと試算されています。また、2010年には、それぞれ2億トン、1、000万TEUが試算されています。これが実現するまでには、青島港はわが国北部の国際海運センター、一大ロジスティックスセンターに成長している
ことでしょう。
数日前、青島市人民政府は、青島前湾新港エリアの2、700万平方メートルをロジスティック開発に割り当てました。このことから判断すると、青島港のロジスティック業務の将来は非常に明るいと思われます。
おしまいに、INAP2002が成功裏に終了することを祈念するとともに、ご参集の皆様には、ぜひ青島港を訪れていただきたいと希望する次第であります。
御清聴まことにありがとうございました。
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