公開日 2022年08月17日
1 INAP設立の経過、趣旨
太平洋に面して大型岸壁を備えた新しい港湾「高知新港」が1998年3月供用を開始した。この新港の供用式典の機にスリランカ国アシュラフ港湾開発復興大臣より関係する姉妹港が一堂に会する会議の開催が提案され、日本国高知県橋本知事はこれに合意した。
これを受けスリランカ港湾庁は、コロンボ市において1998年11月17日から19日までの日程で、高知港あるいはコロンボ港が姉妹港・友好港の関係にあるフィリピン国スービック湾港、インドネシア国タンジュンペラ港、中国青島港、米国ニューオリンズ港とともに6港が参加する「姉妹港を通じた世界の平和」をテーマとしたシンポジウムを開催した。
この開会式の基調講演で、橋本知事は海運や港湾に関する情報を交換・共有し、相互の交流を促進する方策を研究・協議すること、また、参加各港がその属する地域内のネットワークを形成し海運のニーズに対応する世界レベルのポートネットワークを構築することを目指す姉妹港を基盤とした「ポートネットワークアライアンス」の構想を提案した。 アシュラフ大臣はこの提案をさらに発展させ、姉妹港の国際ネットワーク組織つまり友好提携港国際ネットワーク【International Network of Affiliated Ports (INAP)】の設立を提案し、参加港も同調した。設立に関する基礎的な合意事項は設立宣言文にまとめられた。
この宣言文は次の5項目をかかげている。
1.INAPは、専門知識、ノウハウ及びマーケティング、計画、技術、技能及び港の開発全般並びに
経済、文化的便益を含む友好提携港の相互利益に関することがらについて、協議、協力及び
情報交換を行うことにより、このネットワークをそれぞれの港の利益に寄与するものとする
よう努める。
2.INAPは、資源とサービスの効果的な循環及び配分、並びに相互利益を基本として、
上記の友好提携港の活動を推進することにより、互いに有益な地域間のつながりを構築する
よう努める。
3.INAPは、人類の英知、精神的な面での発展及び文化的な成長を増長するよう努める。
4.INAPは、共通の倫理と信仰の価値を改めて認識するよう努める.
5.INAPは、現代文明が環境面で引き起こした生態上の影響を最小限に抑えるため、環境に対する
自覚の醸成に特別の役割を果たし、恐れと不安のない真に平和で調和のとれた地球の建設を
確実なものとする。
2 INAPの目的
INAPは会員の友好的で調和のとれた共生を支え、環境に優しい社会と平和で調和のとれた地球の実現を長期ビジョンとしている。
その実現のために
1.それぞれの姉妹港の関係をより高度なものとし、会員港の間のネットワークを形成する。
2.会員港の港勢の拡大を図るとともに、港湾の開発、振興、管理に関する情報交換を図り
それぞれの姉妹港関係をより有効なものとする。
3.会員港が属する地域間の相互関係を確立し、経済、文化的つながりを強くすることを目的と
している。
3 INAPの会員資格
INAP会員資格は会員港と姉妹港関係にある港湾と規定しており、会員港の姉妹港が新しく会員となった場合にはその港湾の姉妹港も会員資格をもつ。
その他、INAP憲章に賛同し、INAP総会で承認が得られた港湾も、会員の資格を有する。
INAPの創設時会員はスリランカ国コロンボ港、日本国高知港、中国青島港、フィリピン国スービック湾港、インドネシア国タンジュンペラ港である。2000年第3回会合からフィリピン国セブ港が、2007年第9回会合から韓国木浦新港が、2014年第16回会合から韓国唐津港が、2016年第18回会合からフィリピン国ダバオ港が、2018年第20回会合からバングラデシュ国チッタゴン港が会員港に加わり、会員港は現在10港である。
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