第5回高知県南海地震条例づくり検討会会議要旨

公開日 2009年03月13日

更新日 2014年03月16日

1 日時  平成18年9月12日 火曜日 午後1時30分から午後5時まで
 

2 場所  高知城ホール2階中会議室
 

3 出席者8名出席(欠席の岡村会長に代わり、青木副会長が司会を行う。)
 

4 議題
 
(1)条例に盛り込むテーマ(応急・復旧期→備えの段階)についての検討

●被災者への情報提供
資料2 No.15 
事務局説明・委員からの意見
被災後は、的確な情報提供が重要。また、時間経過とともに被災者から要求される情報は、質的に変化し、広範囲に拡大する。
情報が伝わりにくい障害者、外国人等への情報提供は、関係団体やボランティアの協力を得ながら、特性に配慮した情報伝達の方法をとる必要がある。
衛星携帯電話の導入、地域情報のかわら版の配布、避難所に掲示される行政情報の共助による共有も必要。

●ボランティアの受入、活用
資料2 No.18
資料3 No.13
委員からの意見
ボランティアは、公平の原理で動く行政サービスの行き届かない分野を上手に補完できる。住民の生活復旧(ゴミ処理、後かたづけ、泥だし等)、心のケア、食料の分配、情報伝達等でボランティアが活躍。被災地外から駆けつけるボランティアと被災者ニーズを結びつけるための体制として、災害ボランティア活動支援本部が高知県社会福祉協議会の呼びかけで設置され、被災市町村社会福祉協議会の呼びかけで災害ボランティアセンターが各地に設置される。南海地震のように被害が広域化する場合、複数箇所に、災害ボランティアセンターが立ち上がる必要がでてくる。立ち上げのキーマンとなる災害ボランティアコーディネーターの育成が課題。
行政との関係では、災害ボランティアセンターは独立・対等。設置や運営上、行政からの理解や協力を得たい場面もある。立ち上げのための資金も必要。
                
●帰宅困難者への支援、対策
資料2 No.19 
事務局説明
帰宅困難者については、企業、学校等組織のあるところは、組織の責任において、情報を集め、災害状況をみて、施設内で保護するのが原則。大都市では、事業者に啓発したり、徒歩帰宅の支援のためのコンビニエンスストア、ガソリンスタンドとの協定、水やトイレ、道路情報の提供、徒歩による帰宅訓練等が行われている。本県の地域防災計画では、帰宅困難者については規定していない。
委員からの意見
高知県でも、下宿や長距離通学をしている生徒がいるため、学校に関連して、安否情報も含めて、帰宅困難問題を考えるべきではないか。

●被災者の生活再建
資料2 No.20
資料3 No.14
委員からの意見
法律によって、住むことを中心に支援策が規定されているようだ。失業問題、個人経営者の再建等も生活再建への支援としてとらえるべきではないか。
土地の境界線の早期確定、り災証明書の早期発行、税の減免の相談等、住民が生活を再建するために必要な事柄の迅速な処理の仕組みづくりも必要。

●事業所における事業の早期再開
資料2 No.21
資料3 No.15
委員からの意見
・日経産業新聞によると、情報関連のバックアップを取っておく等のBCP(事業継続計画)の取り組み率は、日本では15%しかないが、アメリカでは63%もあり、情報BCPがない企業はお付き合いしていただけない世界となっている。
「地域防災戦略(中央防災会議決定)」の趣旨を踏まえ高知県が定めた地域目標で、「平成26年度末までに、業務継続計画(BCP)を策定している企業の割合を、従業員50人以上の企業で過半とする」としているが、業種ごとに対応が異なるので、アクションプランをつくらないと、具体化しないと思う。安全に対する費用は、利益を生まない投資になるので、特区や税制上の優遇措置があると企業サイドの取り組みに弾みがつくのでは。
・企業も、自分たちはどんなリスクを背負っているのかの「リスクスタディ」は必要。企業だけでなく、農業その他についても、産業全体みな必要であると思う。

●ライフラインの復旧
資料2 No.22
事務局説明
電気、ガス、電話、上下水道というライフラインについては、ライフライン懇談会を通じて県も情報共有に努めている。
ライフラインの被害は、住民生活や産業活動のみならず、防災機関の応急対応などにも大きな影響を与える。よって、ライフラインの復旧は、人命の安全に必要な場所や災害応急対策関連施設、避難所等の民生安全のための施設から優先して復旧していただくことになる。
復旧までの期間は、道路の被害状況に左右される。ちなみに、四国電力の被害想定では、南海地震発生直後の停電戸数は、高知県で約31万戸、停電率は約67%と想定しており、最悪の場合には、復旧までに1週間以上かかるともいわれている。
電力については、地中化されている電線は液状化による被害を受けるため、仮設の電柱を立てるための穴をあらかじめ設置しておくなどの取り組みがされている。
委員からの意見
携帯電話の普及で、公衆電話が撤去されつつある。学校に置いてある公衆電話も採算性の問題で、撤去されかけ、避難所になることもあるからと、存続をお願いしたことがあった。
 
●公共土木施設・公共施設の復旧
資料2 No.23
事務局説明
地震発生後には、公共土木施設や公共施設の被害を点検し、点検の結果、危険性の高い箇所は、早期に応急対策を実施することになる。
道路施設では、緊急交通の確保を最優先に応急復旧が行われる。早期に復旧するためには、資材や機材を調達し、現地に輸送することが必要となるので、そのための支援や受け入れ体制を整備する必要がある。
委員からの意見
津波による洗掘(せんくつ:波で地盤が洗い流されること。施設の破壊や地形を変えてしまうこともある。)対策が記載されていないことが気になる。
         
●建物の耐震化、落下物危険物等の安全対策、家具の転倒防止
資料2 No.24
事務局説明
資料3 No.16 自動販売機の転倒防止
資料3 No.17 ブロック塀の転倒防止
委員からの意見
・ガラスの危険も課題に含めたほうがよい。
・建物の耐震化は、経済・産業界でも必要。
・古い耐震基準の建物の外壁は、震度4や5で落ちるようになっている。
・エレベーターに関することが出ていない。
・建物の附属施設としてタンクの基準についても考える必要があるのではないか。

●揺れから身を守るその他事前の備え・対策
資料2 No.25
特になし

●避難計画・ハザードマップづくり、避難路・避難場所の確保、津波避難訓練の実施
資料2 No.26
委員からの意見
・ガスボンベが耐圧ホースに変更されつつあるが、津波ではもたないので上部遮断弁に装置を変えるべきでは。

●大津波から逃げるその他事前の備え・対策
資料2 No.27
委員からの意見
特になし

●出火・延焼の防止、消火訓練の実施、その他事前の備え・対策
資料2 No.28
委員からの意見
特になし

●液状化や崖崩れ、地盤沈下などから身を守るその他の事前の備え・対策
資料2 No.29
委員からの意見
液状化のおそれのある地域のハザードマップは必要ではないか。
事務局説明
国土地理院作成の土地利用条件図(高知市・土佐市・安芸市)が発売されているので、それで土地の成り立ちを見ることができる。(氾濫平野、埋め立て地、砂州等)

※以降の論点は、次回検討会へ持ち越し。

 

(2)その他
 
・平成18年11月26日開催の南海地震条例づくりシンポジウムの当検討会からのパネルディスカッション参加者数について
・次回検討会の開催日時は、平成18年10月24日 火曜日 午前9時30分から午前11時50分まで。


この記事に関するお問い合わせ

高知県 危機管理部 南海トラフ地震対策課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: 企画調整  088-823-9798
地域支援  088-823-9317
事前復興室 088-823-9386
ファックス: 088-823-9253
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