第9回高知県南海地震条例づくり検討会会議要旨

公開日 2009年03月16日

更新日 2014年03月16日

1 日時  平成19年2月16日 金曜日 午後1時30分から午後5時まで
  

2 場所  高知会館 3階飛鳥
  

3 出席者7名出席
  

4 議題
 
(1)骨子案文について
  
<事務局説明>
・13項目を、章立てにまとめると10章立てになった。
・骨子の体系(案)の「第○章第○」と骨子案文検討票の「NO.○ー○」が連動している。
・骨子文章と解釈文をつけて、県民に骨子案の公表をしていく。
・資料4は、各委員からいただいた意見のとりまとめ。
<会長から本日の進行の仕方について>
・各論の第2章から第9章までをできるところまで議論し、最後の30分を「第1章 総則」の議論にあてる。
  
●「揺れによる被害を防ぐ」
<委員からの意見>
・「揺れによる被害を防ぐ」という章名が、他の章の「…身を守る」という表現とそろっていない。「揺れの被害」という表現も抽象的。
・建物倒壊が、揺れの被害を最も出すので、それを分かるようにできないか。
<事務局説明>
・揺れの章は、建築物、家具、ガラス、屋外に落下する物、公共土木施設等と、人命を危うくする対象をたくさん書いているため、一つを例示せず、まとめて「被害」とした。
<委員からの意見>
・「揺れの被害から命を守る」などの表現にしてみてはどうか。
<事務局説明>
・事務局で持ち帰り検討する。
<委員からの意見>
・耐震診断を受けたことがある人が4.7%と低く、なかなか進まない現状は、いつまでおいておいても上がらないと思う。市町村単位で、減災対策パトロール隊を任命して、各地域を回り指導していくことにしてはどうか。直接家庭訪問して、指導していくことが大事。
・建築物だけでなく、自主防災組織が、全般的に地域の危険を確認することも大事。
・ブロック塀の半・倒壊は、津波浸水予想区域などの漁村型のまちは道が狭いので特に避難の邪魔になる。
・不法駐車をしないことも個人の重要な努力義務。
・余震も、南海地震クラスだとケタが大きい。M8.4というのが本震なら、余震は本震より1小さくなるのは、常識。よって、M7.4クラスの、阪神淡路大震災より大きな余震が想定される。安政の南海地震では、3年も余震が続いたという記録がある。
・建築物の耐震検査を相談できる確かな業者と相談先が欲しいと県民は思っているはず。
・何が起こるかわかっていないと、震災対策はされない。
・県民が、揺れのとき、身を守るための手段として何をしなければいけないか具体的に書かないと意味がないように思う。
・「所有者」に義務を課している場所があるが、それでカバーできるのだろうか。「管理者、占有者」に広げ必要がないか検討が必要。
・「実施体制の整備」というフレ−ズなど、可能な限り具体的な規定ができないか。
  
●「大津波から逃げる」
<委員からの意見>
・慶長地震の揺れの記録が室戸以外にないのは、当時の為政者が表に出さないようにしたのかもしれない。南海地震には、強烈な揺れが伴うと考えて、津波避難を規定してよいと考える。
・津波の被害にあった区域の人は家に帰れないため、避難所の整備も大事。
・観光客より県民への情報提供を主においてはどうか。
・情報を迅速に伝えることは、規定しておいてもいいが、トラブルが発生して、それが伝えられない事態をも考えておくべき。
・津波浸水予想区域では自主防災組織の組織率を100%にしたいということを前提に、津波避難計画や訓練を自主防災組織を中心に規定しているのか。
・「情報提供」は欲しい人に渡すイメ−ジなので、標識などは狭い意味の「広報」という言い方を使ってはどうか。「津波避難に関する広報及び情報提供」という言い方で。
・「避難場所の確保」は、どう確保するのかもう少し具体的に書き込んだ方がよい。
・「陸こうや水門の日頃からの維持管理体制の整備」は、「陸こうや水門の維持管理体制の日頃からの整備」に。
・「緊急避難場所」で求めている「秩序ある利用」が、緊急避難場所とセットで出てくる「避難路」にもかけてはどうか。
・避難場所、避難路はどこでもいいのだと思う。いざというときは、自己保全できるなら木の上でもOKということを分かっていないと、決められた避難場所や避難路じゃないといけないと思ってしまうのでは?近くの高い所に逃げることが大事
・避難場所、避難路はどこでもいいということと、指定避難場所を用意することは区別は可能だと思う。
<事務局説明>
・指定したところに必ず逃げなさいとは、案にも書いていない。「高台などの津波の浸水のおそれがない場所」と規定している。
<委員からの意見>
・健常者の側からのみ書かれている気がする。逃げられない方をどうするということが出てきてもよいのでは。
<事務局説明>
・災害時要援護者のことは、第9章にまとめて書いている。
<委員からの意見>
・津波に関してハード整備はできることからやっていくというのが現実的で、港のように開いた部分から浸水するので、ハード整備でふせぐというのは、現実的ではないということを県民にも理解してもらう必要がある。
<事務局説明>
・水門の自動閉鎖は、高知港でも5箇所とりくんでいる。また、津波の浸入口となる陸こう等を平常時から閉める管理を港湾・海岸課が進めている。
<委員からの意見>
・船舶の不法係留者の問題もある。
  
●「火災から身を守る」
<委員からの意見>
・火災は、時間帯によって被害が全く違ってくる。
・出火の防止のためにブレーカーを落とすのは、なぜか分かるように、「通電火災に備え」などの言葉を足してはどうか。
・係留している船からの出火、車は海水に浸水すると発火するなどの例もある。津波による火災については、骨子案のどこかで規定しているのか。
<事務局説明>
・津波による火災があることは事実だが、条例にどう対応すべきと書くのか、検討会で議論してもらいたい。現在は、「火災」と一般的に書いて、「津波による火災」を特定していない。
<委員からの意見>
・社会的弱者を9章にフォローして入れていくか、各章に入れていくか、他の委員からも意見をいただきたい。
<事務局説明>
・9章から飛び出して、5章から6章にまとめて書くこともできると思う。
・災害時要援護者のことは、事前の助け合いが大事なので、現在は全体を通じてかかるところに入れている。
<会長意見>
・今後の検討課題とする。 
 
   ●「土砂災害その他の危険から身を守る」
<委員からの意見>
・地盤沈下による浸水は、津波が来る前に来るので、最も先にもって来る規定ではないか。
・「自らの安全の確保や避難に支障がない限りにおいて」は、「自らの身の確保を優先し」の表現がよいのではないか。
・中山間、海岸沿いの土砂崩れ ・地震で起こる土砂害の地区指定はできるのか?
<事務局説明>
・風水害による土砂災害等の地区指定はあるが、地震による地区指定は難しい。
<委員からの意見>
・急傾斜地に関する法があり地区指定されているのが、それなりに有効。住民にとっては、土砂災害は関心が大きいこと。
・山鳴り、地面のひび割れ等見回る担当者に通報を委嘱するのはどうか。簡易水道の点検のように。
<事務局説明>
・水道の管理と違って、ここでは広く巡視をする。また、山鳴りなどの異常現象に気づいたら、自主避難をするということをここでは書いている。
<委員からの意見>
・地震後の土砂災害への警戒は長期的な問題となる。善光寺地震に係る工事は、160年たった今もしている。全県でそういうことが起こるといっておかないといけない。
  
※「土砂災害その他の危険から身を守る」「災害から命を救う」「被災者の生活を支える」「震災からの復興を進める」「震災に強い人や地域づくりを進める」「総合的な南海地震対策を進める」の検討は、次回。
 
  

(2)条例の趣旨、基本理念、責務について
  
●骨子体系について
・意見は特になし
  
●基本理念について
<委員からの意見>
・「全県的な運動」に「減災運動」というニュアンスを加味してはどうか。
・「全県的な運動」という表現は、元の「県民運動」よりはいい表現ではないかと思う。
・「生き抜く権利」という言葉は、権利としてしっくりこない。「生命、身体、財産を守る権利」としてはどうか。
・人権を起点に自助を書いても、請求権が直ちに導かれると読まれてはいけないが、あきらめることもいけない、他人に転嫁してもいけない、生きて何をすべきかを出発点に書いていくべきだと考えた。
・ブロック塀の補強は、他者を害さないためということで共助だと思っていたが、自助だという人もいる。「共助」も規定が難しい。
・予防から復興までの各ステージで「自助として…すること・共助として…すること・公助として…すること」といった分業の区分けが、浮かんでこないか。
72時間は、自助・共助のウエイトが多かったということはあると思うが。
・見えない危険と見える危険がある。社会生活のすべてにおいて、(危険の)原因となるものがないか見抜くことによって生き残っていける。
<会長意見>
・基本理念の人権起点の自助の書き方については、次回以降も検討します。
  
●言葉の使い方
<委員からの意見>
・骨子案を「です・ます」の柔らかい表現で出したら、法令として公表するときも「です・ます」にしてはどうかと思った。
  

(3)その他
・次回検討会の開催日時は、平成19年4月中旬


この記事に関するお問い合わせ

高知県 危機管理部 南海トラフ地震対策課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: 企画調整  088-823-9798
地域支援  088-823-9317
事前復興室 088-823-9386
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