公開日 2009年02月27日
更新日 2014年03月16日
高知県公文書開示審査会答申第72号
諮問第72号
第1 審査会の結論
知事は、「農地法第5条の規定による許可申請書(平成12年10月16日)及び土地利用計画図(配置図・面積求積図・平面図・断面図・立面図)」について、開示しないこととした部分のうち、別紙1の「審査会の判断」の欄に「非開示」と記載されている情報を除き、開示すべきである。
第2 異議申立ての趣旨
本件異議申立ては、異議申立人が平成13年4月16日付けで高知県情報公開条例(平成2年高知県条例第1号。以下「条例」という。)に基づき行った「平成10年5月29日○○○○に対する農地法5条の許可申請の変更後の許可申請書、同添付の造成計画の平面図」の公文書開示請求に対し、知事(以下「実施機関」という。)が部分開示とした「農地法第5条の規定による許可申請書(平成12年10月16日)及び土地利用計画図(配置図・面積求積図・平面図・断面図・立面図)」(以下「本件公文書」という。)の非開示部分の情報について開示を求めるというものである。
第3 実施機関の部分開示決定理由等
実施機関が、決定理由説明書及び審査会の質問事項に対する回答の中で主張している部分開示決定の理由等の主な内容は、次のように要約できる。
1 農地法第5条の規定による許可申請書(以下「許可申請書」という。)の「氏名」、「住所」、「職業」、「10a当たり普通収穫高」及び「耕作者の氏名」の欄の情報について
(1) 高知県情報公開条例の一部を改正する条例(平成13年3月27日条例第11号)による改正前の高知県情報公開条例(以下「旧条例」という。)第6条第2号該当性について
当該情報は、許可申請書に添付されている土地登記簿謄本では確認することができない情報であり、また、外見上でも確認することのできない情報である。これらの情報は、いずれも個人に関する情報であって、開示すると、特定の個人を識別することができると認められ、本号本文に該当する。
(2) 本号ただし書該当性について
当該情報は、農地法第5条の許可申請である本件公文書については、分筆登記及び地目変更登記を前提としているものではない。本件公文書の情報は、法務局において法令等の規定により何人も閲覧することができるとされている情報ではない。したがって、当該情報は、ただし書アに該当しない。
また、この許可申請は、農地を農地以外のものにするため、所有権を移転し、又は賃借権等使用収益を目的とする権利を設定する場合に必要としている許可申請であることから、当該情報は、公表を目的として作成し、又は取得した情報ではないため、ただし書イに該当しない。
以上から、当該情報は、本号ただし書のいずれにも該当しない。
2 許可申請書中の「面積」、「事業の操業期間又は施設の利用期間」、「転用の時期及び転用の目的に係る事業又は施設の概要」、「権利を設定移転しようとする契約の内容」及び「資金調達についての計画」の欄の情報並びに土地利用計画図について
(1)旧条例第6条第3号該当性について
本件公文書に係る許可申請は、農業用倉庫を設置するため所有権を移転し又は賃借権等使用収益を目的とする権利の設定を行うものであり、その概要を開示することにより、転用行為者の経営規模、経営能力等が推定される情報であって、転用行為者がその情報を開示する対象を任意に選択できる内容のものであることから、これを不特定多数の者に開示することは、転用行為者の正当な利益を害するものと認められ、本号本文に該当する。
また、当該情報のうち許可を受けようとする土地の「面積」については、本件公文書に添付されている土地登記簿謄本では分筆登記が行われていないことから、法令等の規定により何人も閲覧することができるとされている情報ではない。また、その他の情報については、社会通念上も公にすることが慣行となっていると認められる情報ではない。
(2)本号ただし書該当性について
本件公文書に係る許可申請は、農地に農業用倉庫を設置するため所有権を移転し又は賃借権等使用収益を目的とする権利の設定を行うものであり、当該事業活動により人の生命等に対する危険や損害が将来発生する確率が高いとは認められない。 また、法令等の規定にも違反しておらず、社会通念に照らしても違法に近い著しく妥当性を欠く事業活動とは認められない。
したがって、当該情報は、本号ただし書のいずれにも該当しない。
3 旧条例第6条第4号該当性について
本件公文書のうち個人の印影については、開示することにより、当該個人の財産等の保護に支障を生ずるおそれがあることから、旧条例第6条第4号に該当すると判断した。
第4 異議申立人の主張
異議申立人が異議申立書、意見書及び意見陳述で主張している異議申立ての主な内容は、次のように要約できる。
1
本件公文書に係る農業用倉庫(以下「本件農業用倉庫」という。)の設置については、農地法第5条の規定により、A番地とB番地の二筆の土地にわたって建築するという内容で許可を受けていたが、許可どおりに本件農業用倉庫が建築されなかったため許可が取り消され、今回の申請がなされている。
一方、本件農業用倉庫の建築確認については、A番地とB番地の土地に建築するという計画で建築確認されているが、実際には、A番地の土地のみに建築されているにもかかわらず、建築確認の取り消しなどは行われていない。
農地法第5条の規定による許可の取り消しに合わせて建築確認の取り消しを行わなければならないのではないか。
なお、二筆のうち、実際には建築されなかったB番地の土地は異議申立人の土地である。
2
地目変更及び分筆登記等をするには、農地法第5条の規定による許可書と地積測量図の提出が不動産登記法で義務付けられており、地目変更及び分筆登記がなされた場合には誰でも閲覧することができるので、転用された土地の面積や公図等敷地に関するものはプライバシーは関係ない。
しかしながら、本件農業用倉庫が建てられた土地については、地目は田のままで宅地に変更登記されておらず、分筆登記も行われていないため、土地の面積等が土地登記簿で閲覧できない。不動産登記法違反は個人の問題ではあるが、県は許可するときに許可申請者に対して不動産登記法を守るよう指導するべきではないか。
3
「農地等転用関係事務処理要領」及び「農地転用許可後の転用事業の促進等に関する事務処理について」という国の通達(以下「通達」という。)を県が遵守(地方公務員法第32条)すれば、隣地の人は、土地造成面積について現地で確認することができる。また、農林水産省の担当者と話をしたところ、通達もあるので、直すべきところがあれば、県とよく話し合って解決して欲しいということであった。
第5 審査会の判断
1 本件公文書について
本件公文書は、農地法第5条に基づいて申請されたものである。同条では、農地を農地以外又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。)にするため、それらの土地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合に、当事者が都道府県知事(4ヘクタールを超える農地等の場合には農林水産大臣)の許可を受けなければならないとされているが、本件公文書は、農地に農業用倉庫を設置する目的で権利の設定を行うための許可申請であると認められる。
2 本件公文書の特定について
本件農業用倉庫の設置に係る申請については、当初、本件農業用倉庫をA番地とB番地の二筆の土地にわたって設置する計画として許可申請があり、平成10年5月29日付けで許可を行っていた。しかしながら、実際には、本件農業用倉庫は、二筆のうちA番地の土地の既許可部分と未許可部分に設置され、許可申請者から本件農業用倉庫を設置されなかったB番地の土地についての許可取消願が平成12年7月18日付けで知事に提出されたことから、その部分の土地の転用に係る権利設定の許可の取り消しが行われている。
その後、本件農業用倉庫が実際に設置されたA番地には未許可部分の土地があるため、平成12年10月16日付けで、実際に設置されている土地について既許可部分を含めて再度許可申請があったことから、既許可部分の許可をいったん取り消した後に改めて今回の許可申請に係る許可を行っている。
以上の経緯から、実施機関は、平成12年10月16日付けで申請された許可申請書を本件公文書として特定している。
3 許可申請書の添付書類の特定について
許可申請書には、添付書類として転用する土地の位置を特定するための図面(以下「位置特定図面」という。)及び配置図・面積求積図・平面図・断面図・立面図等が記載された土地の利用計画を示した図(以下「土地利用計画図」という。)、土地登記簿謄本、建築確認通知書及び農業委員会からの意見書などが付されている。
異議申立人は「添付の造成計画の平面図」を請求していることから、実施機関は、許可申請書の添付書類のうち、位置特定図面及び土地利用計画図を特定している。
4 非開示理由の適用について
本件公文書については、平成12年11月10日に高知県農業政策課が受け付けていることが受付印により確認できることから、平成10年10月1日から平成13年3月31日までに県が取得した公文書であると認められる。したがって、非開示理由の適用に当たっては、旧条例第6条各号が適用される。
5 旧条例第6条第2号該当性について
本号は、条例第3条後段の「個人に関する情報が十分保護されるように最大限の配慮をしなければならない」の規定を受け、原則公開の情報公開制度の下であっても、特定の個人を識別することができる情報は、原則非開示とすることを定めたものである。
これは、個人のプライバシーを最大限保護するため、プライバシーであるか否か不明確な個人に関する情報も含めて、特定の個人を識別することができると認められる情報は、本号ただし書ア、イ、ウに該当する情報を除き開示してはならないとするものである。
本件公文書に記載されている情報のうち許可申請書中の「氏名」、「住所」、「職業」、「10a当たり普通収穫高」及び「耕作者の氏名」の欄の情報について、実施機関は、旧条例第6条第2号を適用して非開示とするべきであると主張するので、以下検討する。
(1) 許可申請書中の「氏名」及び「住所」の欄の情報について
実施機関は、許可申請書中の2名の当事者(許可申請者)の氏名及び住所について、「譲渡人」訂正記載事項に係る個人(以下「当事者甲」という。)の当該情報については、許可申請書に添付されている土地登記簿謄本で確認できるため開示しているが、「譲受人」訂正記載事項に係る個人(以下「当事者乙」という。)の当該情報については確認することができないことから、本号を適用して非開示としている。
ア 本号本文該当性について
当事者乙の氏名及び住所は、個人に関する情報であり、特定の個人を識別できると認められ、本号本文に該当する。
イ 当事者乙の氏名の本号ただし書該当性について
(ア)
当事者乙の氏名は、不動産登記法などの法令等の規定により何人も閲覧できるとされている情報ではないため、ただし書アに該当しない。
(イ)
本件農業用倉庫に係る建築確認の内容については、建築基準法第93条の2の規定に基づき閲覧に供される『建築計画概要書』に建築主の氏名等の情報が記載されているが、建築確認における建築主と本件公文書の当事者乙が、必ずしも同一になるとは限らないことから、当事者乙の氏名は、一般に公になるものではない。
しかしながら、実施機関は、異議申立人の「○○○○に対する農地法5条の許可申請」(○○○○は当事者乙の氏名である。)という請求を受理し、当該請求に対して本件公文書を特定して部分開示決定を行っていることから、本件の場合、当事者乙の氏名は既に明らかになっているものと認められる。
以上のことから、当事者乙の氏名については、公表を目的とした情報ではないが、結果として公表したと同じ効果をもたらしており、また、公表しても社会通念上個人の権利利益を侵害するおそれがないと認められることから、ただし書イに該当する。
(ウ)
当事者乙の氏名は、ただし書ウの(ア)から(ウ)に掲げる者の職務の遂行に係る情報でないと認められるため、ただし書ウに該当しない。
以上のことから、当該情報は本号ただし書イに該当する。
ウ 当事者乙の住所の本号ただし書該当性について
当該情報は、本号ただし書のいずれにも該当しない。
(2) 許可申請書中の「職業」の欄の情報について
当事者甲及び当事者乙の職業については、当該個人に関する情報であると認められ、本号本文に該当し、かつ、ただし書のいずれにも該当しない。
(3) 許可申請書中の「10a当たり普通収穫高」の欄の情報について
許可を受けようとする土地の10a当たりの普通収穫高について、実施機関は、本号を適用して非開示としているが、当該情報は、その土地で農業を営む個人の事業活動情報に関する情報であり、性質上法人の事業活動情報と同様の性格を有するものであることから、本号本文に該当しない。
(4) 許可申請書中の「耕作者の氏名」の欄の情報について
許可を受けようとする土地の耕作者の氏名については、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができると認められることから本号本文に該当し、かつ、ただし書のいずれにも該当しない。
(5) その他の情報
実施機関は、次の情報の本号該当性について主張していないが、以下判断する。
ア 許可申請書中の「譲渡人」を訂正して記載している事項(以下「『譲渡人』訂正記載事項」という。)及び「譲受人」を訂正して記載している事項(以下「『譲受人』訂正記載事項」という。)、「権利を設定・移転しようとする契約の内容」の欄の情報並びに知事の許可の欄の「所有権移転」を訂正して記載している事項(以下「『所有権移転』訂正記載事項」という。)について
農地法第5条の規定による許可申請は、農地等を農地以外に転用するため所有権の移転又は地上権等の権利の設定若しくは移転のために申請されるものである。「譲渡人」訂正記載事項及び「譲受人」訂正記載事項は、当事者間の契約の関係を示す情報であり、また、「権利を設定・移転しようとする契約の内容」の欄には、権利の種類、権利の設定・移転の別、権利の設定・移転の時期及び権利の存続期間の情報が記載されているが、これらの情報は、当事者間の土地の譲渡等の契約内容に関する情報である。さらに、「所有権移転」訂正記載事項は、当該情報を開示すると、当事者間の契約に関する情報が明らかになると認められる。
したがって、当該情報は、個人の契約内容に関する情報であると認められ、本号本文に該当し、かつ、ただし書のいずれにも該当しない。
イ 土地利用計画図中の設計者の氏名及び一級建築士登録番号について
土地利用計画図の設計者の氏名については、個人に関する情報であって、特定の個人を識別できる情報であると認められ、本号本文に該当し、本号ただし書ア及びウに該当しない。しかしながら、当該情報は、建築基準法に基づく『建築計画概要書』により閲覧することができる情報であることから、本号ただし書イに該当する。
次に、同設計者の一級建築士登録番号については、設計者個人に関する情報であると認められ、本号本文に該当し、かつ、ただし書のいずれにも該当しない。
6 旧条例第6条第3号該当性について
本号は、法人又は事業を営む個人の権利及び利益の保護と事業活動の自由を保護し、公正な競争秩序を維持する観点から、開示することにより、法人等又は事業を営む個人の競争上又は事業運営上の地位その他正当な利益を害すると認められる情報は、非開示とすることができると定めたものである。
また、本号ただし書は、人の生命、身体等を保護するため開示することが必要であると認められる情報又はこれに準じる情報で公益上必要と認められる情報は、開示することとしたものである。
実施機関は、本件公文書に記載されている情報のうち許可申請書中の「面積」、「事業の操業期間又は施設の利用期間」、「転用の時期及び転用の目的に係る事業又は施設の概要」、「権利を設定移転しようとする契約の内容」、「資金調達についての計画」の欄及び土地利用計画図の情報について、旧条例第6条第3号を適用し非開示とするべきであると主張するので、以下検討する。
(1) 許可申請書中の「面積」の欄の情報について
許可を受けようとする土地の面積について、本件の場合、一筆の土地の一部が転用されているものの地目変更や分筆登記がなされていないため、土地登記簿からは明らかにならない。しかしながら、地目変更に伴う分筆の登記は、不動産登記法上行うべき手続であると認められ、また、当該情報は、一筆単位で農地転用の許可を受ける場合には、通常明らかになる情報である。
また、本件農業用倉庫の建築後においては、どのくらいの面積が農地から農業用倉庫の用地に転用されたかといったことは現地で確認すればある程度推測することも可能である。
したがって、既に本件農業用倉庫が建築されている現時点においては、当該情報を開示しても、当事者乙の競争上又は事業運営上の地位その他正当な利益を害すると認められないため、本号本文に該当しない。
(2) 許可申請書中の「10a当たり普通収穫高」の欄の情報について
実施機関は、当該情報の本号該当性について主張していないが、以下判断する。
許可を受けようとする土地に係る当該情報は、その土地で農業を営む個人の当該事業に関する情報であって、開示することにより、当該事業を営む個人の事業運営上の地位を害すると認められ、本号本文に該当し、かつ、ただし書のいずれにも該当しない。
(3) 許可申請書中の「事業の操業期間又は施設の利用期間」の欄の情報について
本件公文書には農業用倉庫の利用期間が記載されているが、当該情報は、当事者間の譲渡等の契約内容に関する情報であり、開示することによって当事者乙の事業運営上の地位を害すると認められ、当該情報は、本号本文に該当し、かつ、ただし書のいずれにも該当しない。
(4) 許可申請書中の「転用の時期及び転用の目的に係る事業又は施設の概要」の欄の情報について
ア 「工事計画」の欄の第1期の工事期間の情報について
異議申立人は、平成13年4月16日に開示請求を行っているが、既にその時点で農業用倉庫の建築に係る工事期間は満了している。本件農業用倉庫の建築工事を行っているということは、現地においては周知のことであり、工事の終了後に当該情報を開示しても、当事者乙の競争上又は事業運営上の地位その他正当な利益を害すると認められないため、当該情報は、本号本文に該当しない。
イ 建築物の棟数、建築面積及び所要面積並びにそれらの計及び合計の欄の情報について
本件農業用倉庫に係る当該情報は、建築基準法により閲覧されている『建築計画概要書』によって確認することができる。
また、これらの情報は、現地においても目視によりおおよそ確認することが可能な情報である。
したがって、これらの情報は、開示しても、当事者乙の競争上又は事業運営上の地位その他正当な利益を害すると認められないため、本号本文に該当しない。
(5) 許可申請書中の「資金調達についての計画」の欄の情報について
本件農業用倉庫の設置に係る当該情報は、当事者乙の内部管理情報であって、開示することにより、当該事業を営む個人の事業運営上の地位を害すると認められることから、本号本文に該当し、かつ、ただし書のいずれにも該当しない。
(6) 位置特定図面について
許可を受けようとする土地の形状図について、本件農業用倉庫の建築後であれば、現地において、どの部分の土地が農地から農業用倉庫の用地に転用されたかということは確認することができる。
したがって、当該形状図を開示しても、当事者乙の競争上又は事業運営上の地位その他正当な利益を害すると認められず、本号本文に該当しない。
次に、許可を受けようとする土地の面積の計算式について、当該面積の本号該当性については上記(1)のとおりであり、当該面積と同様の情報である。
したがって、当該情報は、開示しても、当事者乙の競争上又は事業運営上の地位その他正当な利益を害すると認められないため、本号本文に該当しない。
(7) 土地利用計画図について
当該土地利用計画図に記載されている情報のうち断面図、立面図等の情報は、農業用倉庫が既に建築されていると認められることから、本件農業用倉庫の外観を見ることにより、その大きさや材質等について確認することが可能である。
平面図については、外観から明らかになるものではないが、建築物が農業用倉庫であるという目的から、農業を営む個人の生産技術上のノウハウなどの情報は、特別には含まれていないと推測される。
また、設計・図面名称、日付及び床面積・敷地求積図・建ぺい率の計算式並びに設計事務所の情報等については、『建築計画概要書』を閲覧することにより推測できる情報である。
したがって、土地利用計画図に記載されている情報は、開示しても、当事者乙の競争上又は事業運営上の地位その他正当な利益を害するとは認められないため、本号本文に該当しない。
7 旧条例第6条第4号該当性について
本号は、開示することにより、人の生命、身体、財産等の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全の確保と秩序の維持に支障を生ずるおそれがある情報は非開示とすることを定めたものである。
(1) 個人の印影について
本件公文書のうち許可申請書及び位置特定図面中の当事者甲及び当事者乙の印影並びに土地利用計画図中の設計者の印影は、当該個人の実印や金融機関への届出印である可能性があり、開示することにより、当該個人の財産等の保護が図られなくなるおそれがあると認められることから、本号に該当する。
(2) 土地利用計画図中の平面図について
本件公文書のうち土地利用計画図中の平面図については、開示することにより、農業用倉庫の内部の構造等が明らかにされ、その結果、当事者乙の財産等の保護に支障を生ずるおそれがあると認められることから、本号に該当する。
第6 結論
当審査会は、本件公文書を具体的に検討し、最終的には高知県公文書開示審査会規則第4条第3項の規定による多数決により、冒頭の「1 審査会の結論」のとおり判断した。
第7 審査会の処理経過
当審査会の処理経過は、別紙2のとおり。
別紙1 開示しないこととした情報[その他のファイル/20KB]
別紙2
年月日 | 処理内容 |
---|---|
平成13年6月26日 | ・ 実施機関から諮問を受けた。 |
平成13年7月30日 | ・ 実施機関から決定理由説明書を受理した。 |
平成13年8月13日 | ・ 異議申立人から決定理由説明書に対する意見書を受理した。 |
平成13年12月19日 (平成13年度第13回第一小委員会) |
・ 諮問の審議を行った。 ・ 異議申立人の意見陳述を聴取した。 |
平成14年1月16日 (平成13年度第14回第一小委員会) |
・ 諮問の審議を行った。 |
平成14年4月3日 (平成14年度第1回第一小委員会) |
・ 諮問の審議を行った。 |
平成14年4月15日 (平成14年度第2回第一小委員会) |
・ 諮問の審議を行った。 |
平成14年5月14日 (平成14年度第1回公文書開示審査会) |
・ 諮問の審議を行った。 |
平成14年6月26日 | ・ 答申を行った。 |
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