公開日 2018年07月24日
【相談内容】 (徳島県労働委員会)
一人暮らしの高齢の母が骨折入院し、退院はしましたが、しばらくは通院してリハビリを続ける必要があり、私が身の回りの世話をしなければならなくなりました。私は正社員で雇用されていますが、会社の就業規則には介護休業の規定がありません。このような場合、介護を続けるためには仕事を辞めなければいけないのでしょうか。
【お答え】
介護休業については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」 (以下「育児・介護休業法」 といいます。)において、要介護状態にある家族を介護するために通算93日を上限として休業できると規定されています。
したがって、 対象となる労働者が所定の手続きに従い申し出を行った場合は、 就業規則等に規定されていなくても、 会社はこれを拒むことはできません。
また、介護休業の申出をしたこと、介護休業を取得したことを理由として、その労働者に解雇や減給等の不利益な取扱いをすることは禁止されています。
さらに、事業主には、介護休業等の取得を理由として、上司・同僚などが嫌がらせなどの就業環境を害する行為をしないよう、 防止措置を講じることが義務づけられています。
介護休業制度の概要は、 次のとおり です。
(1) 対象となる家族
配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹及び孫
(2) 要介護状態とは
負傷、 疾病又は身体上若しくは精神上の障害により2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態
(3) 適用対象となる労働者
日々雇用される労働者は対象となりません。
また、 雇用期間の定めのある労働者の場合は、 同一の事業主に引き続き1年以上雇用され、 かつ介護休業の開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までの間に、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでない場合(一部例外もあります)に限り、対象となります。
このほか、 雇用期間の定めのない労働者でも、 次の人を対象としない旨の労使協定が結ばれている場合は、 対象となりません。
ア その事業主に継続して雇用された期間が1年未満の者
イ 申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな者
ウ 1週間の所定労働日数が2日以下の者
(4) 休業期間
対象家族一人につき、 要介護状態に至るごとに、 通算で93日取得できます。
3回を上限として、分割して取得することも可能です。
(5) 休業中の賃金について
休業中の賃金を有給とするか無給とするかについては、 育児・介護休業法に定めはありませんが、 雇用保険の被保険者の方が要件を満たし介護休業を取得した場合は、 介護休業給付が支給される場合がありますので、 詳細については、 最寄りのハローワーク (公共職業安定所) までお問い合わせください。
なお、 会社に相談しても、 介護休業の取得対象者であるにもかかわらず、 適切な対応がなされない場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等室に相談してみてください。
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