2.これまでの農業農村整備事業の実績と評価 3)

公開日 2009年03月18日

更新日 2014年03月16日


3)農道の整備


事業の目的と内容

  •  農道整備は農産物輸送の合理化や営農活動の効率化を図るとともに、併せて農村環境の改善に資するために行うものです。
  •  農産物の集出荷の合理化、消費地へのアクセスの改善、都市との交流による農村地域の活性化のために、地域の基幹的な農道を整備します。(広域農道)
  •  農村地域の効率的な営農活動や農産物の合理的な輸送体系の確立のための幹線農道を整備します。(農免農道)
  •  ほ場と集落、集出荷施設等を有機的かつ合理的に結ぶ農道網を整備します。(一般農道、団体営農道)

 
これまでの取り組みの成果

  •  農道の整備は、効率的な営農活動や農産物の合理的な輸送体系の確立を目的として行うもので、県営農道整備事業で276km、団体営農道整備事業で539km、県営ふるさと農道事業で26kmを整備してきました。
  •  このほか、各種総合整備事業により整備してきた農道延長を含めた総延長は1,227kmに達しており、その多くは農道としての役割のみならず、地域住民の生活に密着した生活道路としての役割も担っています。
     【地区事例】
    ◆ 昭和58年に完成した春野地区広域農道では、農道沿いの4地区で県営ほ場整備も導入され農業生産性が飛躍的に向上しました。これらの優良農地では、県内シェア1位のキュウリ、2位のメロン、4位のナス等が生産され、集出荷施設「グリーンはるの」から全国に向けて出荷されています。また高知市の市街地から春野総合運動公園や高知南ニュータウンへのメインアクセス道路として、また昭和62年に農道沿いに開校した土佐塾中高校への通学路として地域の発展に大きな役割を果たしています。 
    「グリーンはるの」の取扱量(平成18年度)
    品目 キュウリ ナス トマト ショウガ ピーマン メロン 花卉
    取扱量 9,159t 1,351t 998t 630t 340t 238t 114千ケース 2,555千本


    ◆ 香南市香我美町山北地区では昭和53年から平成3年にかけて、総延長約7kmの樹園地農道網を整備しました。山北地区は温州みかんの産地として古くから有名ですが、樹園地農道網の整備に伴い栽培面積が飛躍的に増加しました。(昭和60年:91ha⇒平成2年:154ha)平成3年の輸入オレンジの自由化で一時期激減しましたが、近年は「山北みかん」のブランド化により、再び栽培面積が増加しています。またハウスみかんの栽培も増え、地区内にあるJA共選場には平成18年で3,380tのみかんが本農道を通じ集められています。(温州みかん栽培面積:平成7年:65ha⇒平成17年:88ha うちハウス面積23ha(平成17年))
     

評価と課題

  • 農道整備により、受益地への通作や農産物輸送の距離・時間が短縮されることから、いずれの地区においても一定の事業効果は発揮されていると考えられますし、中には、上記事例のように、農道整備が生産性の向上に結びついた地区も見うけられます。また農道は、農業上の効果だけでなく、その多くが地域に密着した生活道としての機能や、台風・地震災害発生時等の避難路としての機能も有しており、地域活性化の効果も併せて発揮されていると考えられます。
  •  しかしながら、道路は最も基礎的な社会資本であり、国道や県道、市町村道などの整備も進んでいることから、今後、農道の新規要望がある場合は、走行経費の節減効果だけでなく、地域の営農に及ぼす効果や迂回路の有無などを十分検証し、真に農道として必要な路線を整備していく必要があります。
  •  また現在、長期にわたり実施している基幹的な農道については、国道や県道の整備状況や県・関係市町村の財政状況、あるいは受益地内の農業の状況等を勘案し、必要に応じ計画の見直し等を実施していく必要があります。

この記事に関するお問い合わせ

高知県 農業振興部 農業基盤課

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