【破堤後の氾濫水の最短到達時間】

ため池が破堤した場合、氾濫水は渓流内を急速に流下し、破堤後７分程度で伊尾木洞出口付近に到達します。その後両岸へ氾濫が始まり、左岸の氾濫水は南東方向へ、右岸の氾濫水は西方向へ、ほぼ国道に沿って広がります。

【氾濫時の歩行困難区域】

伊尾木洞を出た氾濫水は、洞口周辺ではまだ速い速度で流れるため屋外にいると危険です。 ｢氾濫時の歩行困難区域｣ がどのように分布しているかを上の図で確認し、大きな地震があった場合は直ちに高台へ避難しましょう。

【竜王池の氾濫の影響を受ける地域】

• 伊尾木地区の「伊尾木洞」出口付近の国道55号沿いの低地では、洞谷川の上流にある「竜王池」の氾濫の影響を受ける可能性があります。

【地震時直ちに高所へ避難する必要がある地域（要避難地区）】

• 洞谷川に隣接した住家は、「竜王池」からの流れの速い氾濫水が直接流入し、家屋に被害を受ける可能性があります。 この場所にお住まいの方は、ため池の氾濫から身の安全を確保するため、大きな地震を感じた場合、速やかに川沿いの自宅から離れ、高台等の安全な場所へ避難してください。
  伊尾木地区の海岸部では、南海地震が発生した際に「津波」による浸水の危険があります。 海岸部の低地にお住まいの方は、この地図で示した「竜王池」の破堤による浸水想定区域だけでなく、高知県が公表している「津波浸水予測図」（浸水深図や津波到達時間図）で、地域への津波の影響を確認し、地震の際に安全に避難ができるようにしてください。

【ため池氾濫の状況と地域における注意点】

• 「竜王池」が破堤した場合、氾濫水は「洞谷川」上流の渓谷部を速い速度で流下します。 伊尾木洞を通過した氾濫水は、洞の南側の出口で「洞谷川」の河岸から周囲の市街地へ溢れ出し、そのうち洞谷川左岸（川の東側）では、路面の低所や排水路などに沿って氾濫水が広がり、旧道と国道の合流点から佐川急便安芸店を越え、園芸連安芸地域駐在所付近まで達する可能性があります。 住家における浸水深は最大で0.5m前後ですが、低所にある水田などには水が集まり、ところにより1.0mを超える場合があります。 なお、国道南側の小学校方面へ影響が及ぶことはありません。
  　「洞谷川」右岸（川の西側）では、氾濫水は西方向へほぼ国道に沿って、ＪＡ土佐あき伊尾木出張所付近までへ流れます。 この地域では、路面の低所や排水路などに沿って、周囲の住家や、国道の路面より低い位置にある水田に流れ込みながら比較的ゆっくりとした速さで広がります。 住家における浸水深は0.5m以下ですが、水田では0.5mから1mまたは1mをやや超える程度と想定されます。 なお、国道南側の伊尾木駅方面へ影響が及ぶことはありません。
• 伊尾木地区において、竜王池の氾濫による浸水想定区域は、南海地震による「津波」の浸水予測区域内にすべて含まれています。地震後、「津波」から避難する場合には、「ため池」の氾濫の影響がある範囲を避けて、「洞谷川」から離れる方向へ避難するようにしてください。
• 伊尾木地区の市街地内は、住宅が密集し、狭い道路が多くなっています。避難の際には、地震による建物や塀の倒壊で、通れない道が出てくる可能性があります。 また、地区北側の山麓や高台にある避難所への避難経路上では、地震時にがけ崩れが生じる恐れのある所があります。 通行できない道がある場合を考え、複数の避難経路を考えておくようにしましょう。
• ため池氾濫による浸水の危険性のない地域にお住まいの方も、万一屋外にいて大きな地震にあった場合は速やかな避難行動ができるよう、ため池氾濫の影響がある範囲をこの地図でよく確認しておいてください。

 
【最寄りの公共施設等の安全性】

• 津波避難所として指定されている「伊尾木保育所」、「八幡宮」、及び一時避難場所として指定されている「忠霊塔北側広場」、「元気村」は、いずれも高台にあるため、ため池が氾濫しても浸水の恐れはありません。

※竜王池については、更に詳細なデータが整理されています。またシュミレーション方法等詳細な情報をご希望の方は、安芸市役所、もしくは高知県農業振興部農業基盤課　防災担当までお問い合わせください。