公開日 2012年05月01日
更新日 2014年03月16日
【相談内容】 (愛媛県労働委員会)
現在、会社の総務課に勤めていますが、上司から「昼休みの休憩時間中も、来客や電話があるので、当番の者は必ず課内で食事を取るように。」と指示されています。
ただ、実際には、来客や電話の対応は少なく仕事をしていない時間が大半ですが、これで問題ないのでしょうか。
【お答え】
労働基準法第34条において、使用者(会社等)は、
(1)労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
(2)休憩時間を原則として一斉に与えなければならない。
(3)休憩時間を自由に利用させなければならない。
と定められています。
また、休憩時間とは、「単に作業に従事しない手待ち時間を含まず、労働者が権利として労働から離れることが保障されている時間のことであって、その他の拘束時間は労働時間として取り扱うこと。」と解されています。
お尋ねの場合、昼休みの時間は、現実に来客や電話の対応業務を行っていなくても、課内に待機しいつでもその業務を始めることができる状態である「手待ち時間」と考えられ、実質的に使用者の指揮命令から完全に離れ自由に利用することが保障されているとはいえません。休憩時間というよりも、むしろ賃金の支払いが必要な労働時間と考えた方が適当でしょう。
このことを踏まえ、会社に、別の時間帯に自由に利用することができる休憩時間を取得できるうよう申し入れ、よく話し合って下さい。会社が、申し入れに応じないようであれば、最寄りの労働基準監督署に相談されることをおすすめします。
なお、(2)については、その事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、協定の範囲内で一斉に与えなくてもよいと定められています。(同法34条第2項)
また、旅客・運送業、金融・保険業、映画・演劇業、郵便・電気通信業、病院等の保健衛生業、旅館・飲食店等の接客・娯楽業、官公署等については、事業の性質上特別な取扱いが必要ですので、一斉付与の適用除外になります。(同法第40条、同法施行規則第31条)
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