8−3 労働条件の明示

公開日 2012年06月26日

更新日 2025年09月22日

【相談内容】 (香川県労働委員会)


 私は、社長との面談で会社に採用されましたが、労働条件についてはその時の約束だけで、労働契約書などの書面を交わしていません。
 また、職場は従業員 10 人未満で就業規則も作られていませんので、賃金や労働時間、休日といった基本的な労働条件については、実際のところ何に基づいて決められているのかよくわかりません。
 このような場合、どうすればよいでしょうか。

 

【お答え】


 使用者と労働者が合意していれば、いわゆる口約束でも労働契約が成立します。労働基準法では、たとえ労働契約が口約束であったとしても、使用者は、雇い入れようとする労働者に対して、労働条件を明らかにしなければならないことになっており、下記に記載の特に重要な労働条件は、書面で明示しなければなりません。


①労働契約の期間 
②勤務場所や仕事の内容(変更の範囲を含む)
③始業・終業時刻 
④所定労働時間を超える労働の有無
⑤休憩時間、休日・休暇 
⑥交替勤務の場合の交替の方法
⑦賃金の決定、計算、支払方法、締切日、支払時期
⑧退職(解雇の事由を含む)
⑨有期労働契約の更新の有無と更新の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)
⑩通算契約期間が 5 年を超える有期労働契約の無期転換申込機会及び無期転換後の労働条件


 その他、書面の交付によるとの規定はありませんが、昇給に関する事項については、必ず明示しなければならず、退職金・賞与、安全・衛生、職業訓練、休職等の事項についても、会社が制度を定めている場合は、明示が必要です。


 前述のとおり、明示が無い場合でも、労働契約そのものは有効に成立すると考えられますが、安心して働くには、労働条件が明確に定められており、その内容を十分に把握しておくことが大事です。まずは、会社側に労働条件の書面交付を要求して内容を確認し、疑問点があれば質問をするなど、会社側とよく話し合われることをお勧めします。

 

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この記事に関するお問い合わせ

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所在地: 〒780-0850 高知県高知市丸ノ内2丁目4番1号(高知県庁北庁舎4階)
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