公開日 2024年02月20日
■はじめに
昭和60年に科学技術庁のアクアマリン計画「海洋深層資源の有効利用技術の開発に関する研究」のモデル海域に室戸岬周辺海域が指定され、平成元年にわが国初の海洋深層水研究施設として高知県室戸市三津に高知県海洋深層水研究所が建設されました。高知県室戸岬近辺海域は沖合2km以上までが大陸棚で、それより先が急に落ち込んで深くなっており、海洋深層水の研究に適した地形となっています。開所以来、海洋深層水の資源的有効性の実証とその実用化をめざして、産・学・官の連携のもと、多分野において基礎から応用まで幅広い研究を進めています。
■業務の内容
- 海洋深層水の有効な利用技術に係る試験研究に関すること。
- 海洋深層水を利用した水産動植物の飼育及び培養技術に係る試験研究に関すること。
- 海洋深層水の利用技術に係る相談及び指導に関すること。
- 前3号に掲げるもののほか、海洋深層水の有効利用の推進に関すること。
■これまでの研究の動向と概要
平成元~2年度
科学技術庁振興調整費による「海洋深層資源の有効利用 技術の開発に関する研究」によって、海洋深層水の有効性 に関する実証試験が行われました。
平成3~5年度
科学技術庁地域共同研究「海洋深層水高度利用システムの開発」によって、深層水モニタリング技術の開発、取水管設置技術の改善、研究施設を充実させました。
平成6~8年度
民間企業5社並びに海洋科学技術センターとの共同研究「深層水の効率的利用法に関する研究」により、生物生産、エネルギー回収等の効率的利用を研究しました。
平成9~10年度
民間企業2社並びに海洋科学技術センターとの共同研究「深層水放水技術に関するフィージビリティ・スタディ」により、環境と調和した深層水放流技術の設計指針を示しました。
平成7~11年度
室戸市や民間企業と共にに逆浸透膜による淡水化装置の連続運転試験に関する研究を行いました。
平成11~15年度
NEDO・JOIA委託事業「エネルギー使用合理化海洋資源活用システム開発事業」を行い、海洋深層水のエネルギー資源としての利用を総括的に研究しました。
平成16~21年度
海洋深層水の取水管の内部調査を行いました。また、農業分野への利用に関する研究を行いました。
平成22~26年度
大学とともに海洋微細藻の培養について研究しました。
平成27~31年度
大型海藻の機能性物質の探索について研究しました。
令和2~3年度
民間企業と共に魚類の陸上養殖について研究しました。
■このように、海洋深層水利用は、まず、物理的、化学的、生物的等の特性解明が基礎調査研究としてなされ、その成果を受けて実証研究へと発展推移しています。今後、各方面での利用を踏まえ、海洋深層水の更なる特性解明に取り組んでいきます。
■高知県室戸市での海洋深層水取水の状況
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