公開日 2009年03月26日
更新日 2014年03月16日
2.胎児期に大切にしたいこと
3.乳幼児期に大切にしたいこと
4.みんなで取り組んでほしいこと
5.出産・子育てへのメッセージ アドバイザー東京大学名誉教授 小林登
平成15年度の協議概要
(1)胎児期から持っている力について
胎児期から下記のような“プログラム”(すばらしい能力)をはじめから持っていることを知り、育児にどう生かしていくかが大切である。
笑う |
母親があやすなど、気持ちのいい状態になると笑うのは、生まれながらにして持っている“笑いのプログラム”にスイッチが入るからである。 |
子宮に出っ張りがあって引っかかると手足を突っ張ってのける |
“考えるプログラム”があらかじめ脳の中にあり、生まれたばかりのあかちゃんに刺激を与えると手足を突っ張る動作をする。それは、成長とともに、生活体験の中で新しい刺激を受けながら、知性というコントロール機能で脳の中のシステムを使って“考える”ことができるようになっているからである。 |
音やリズムに反応する |
聞き分ける“プログラム”を持っている。 |
指をすう |
生まれてすぐお乳をすうことができる、生きるための“プログラム”を持っている。 |
お乳を吸うときお母さんを見つめる |
コミュニケーションの手段を生まれながらに持っている。 |
産声を上げる |
“心のプログラム”があるため、この世に生まれてくることへの恐れや、お母さんとの別れが不安で産声を上げる。産声を上げる時に、息を吸うという“呼吸のプログラム”のスイッチが入る。 |
生まれてすぐのあかちゃんが周囲を見回している様子がある |
生まれながらにして“好奇心のプログラム”があり、見つめるものが多く情報量が多いと、長く見つめる。 インフォメーションシーカー(情報を求める人)として生まれてくるといえる。これは、学びの原点である。 |
味覚がある |
甘いものを好むという“生存のためのエネルギーをとるプログラム”があり、羊水(甘みがある)の味が分かる。 |
匂いをかぎ分ける |
生まれたばかりでも母親の匂いが分かる。 |
ものまねをする |
あかちゃんは、高度な精神機能を持って生まれてくる。生まれながらに“模倣のプログラム”を持っている。それが“心のプログラム”のひとつである。 母親が子育ての中であかちゃんに働きかけ、それにあかちゃんが何らかのしぐさで応える。その繰り返しの中で、母親はあかちゃんをより深く愛せるようになり、あかちゃんのほうも母親に対してより深い愛着を覚えるようになる。そのことを、「母子相互作用」といい、模倣による行動・情報のやりとりによって、生まれながらに持っている力を発揮させることができる。 |
母親が語りかけると、話し言葉のリズムに合わせてあかちゃんの手の動きが同調する |
あかちゃんは言葉で話せないけれど、リズムを母親と同調させることによって、母と子は情報を共有し、心の絆ができる。 これを、エントレインメント(引き込み同調現象)という。 その人間的なやり取りの中で、言葉を覚え、身につけていく。このように、あかちゃんは、コミュニケーションの手段を生まれながらにして持っている。 |
母親が離れると、あかちゃんの皮膚温度が下がる |
このことで母親がいなくなると、あかちゃんはストレスを感じる“プログラム”を持っていることがわかる。 |
心の発達と脳について >>
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