3.乳幼児期に大切にしたいこと

公開日 2009年04月01日

更新日 2014年03月16日

1.なぜ今、胎児期からの支援が必要なのか
2.胎児期に大切にしたいこと
3.乳幼児期に大切にしたいこと
4.みんなで取り組んでほしいこと
5.出産・子育てへのメッセージ   アドバイザー東京大学名誉教授 小林登
 平成15年度の協議概要

  平成16年度
  「胎児期からの育成支援部会」開催状況

  「胎児期からの育成支援部会」委員名簿




生まれてきた子どもを心から慈しみ、愛情豊かにふれあうことで、子どもは親から受け容れられ、認められる体験を得て発育していきます。こうした体験をもとにして強く結ばれた親子の信頼関係が、子どもの健やかな発育につながるといわれています。

 なによりも親自身が子どもの日々の発育を喜び、楽しみながら、安心して子育てができる環境づくりが必要です。

 子育ては、心身ともにつらいときや、思いどおりにならないことも多くあります。そんなとき、頑張って子育てしているお母さんやお父さんを、周囲の人々が温かく見守り、共感してあげることが大きな支えになります。

 親だけで、子育てを担うことが困難な個々の家庭の状況に応じて、地域や子育て仲間などで必要な支援を行うことが大切です。


1.子どもの健やかな発育

親から愛され、受け容れられ認められて育った子どもは、周りの人を愛することを知り、人を信じる心や優しさが育ち、自然にひとりだちへの道を歩むようになるといわれています。

 乳幼児期の頃までに、その後の生活の基盤が培われていきます。この時期には、親子で目と目を合わせながら、抱っこやおんぶなどのスキンシップを充分に行うなどして、親子の信頼関係を築き、家庭が「心の居場所」となるように心がけることがとても大切です。

 また、最近は専門家の間で、子どもの脳や体の健全な発育にとって、「睡眠」が大変重要であるということがクローズアップされており、昼間は外で思い切り遊び、夜は部屋を落ち着いた雰囲気にして、早くから寝られる環境を整えることが必要であるといわれています。(「子ども達の夜型化と生活因子について考える」参照)

 また、親が遊びの重要性を理解し、子どもが主体となって取り組む遊びに、じっくり付き合うことや、テレビやビデオなどのメディアばかりに頼らず、親子で一緒に遊びを楽しむことが、子どもの「健やかな発育」にとって大切であると考えられます。

 このほか、年齢の異なる子どもや高齢者とのかかわりなどを通して、子どもに“思いやり”や“慈しみ”の心をはぐくんでいきたいものです。


2.親としての心がまえ

昔から、「子どもは、親の思うように育たず、親の後ろ姿を見て育つ」「子育ては親育て」などといわれており、子育ては大変だというイメージを抱いている方も多いのではないかと思われます。

 しかし、「子どもの発育は一人一人異なる」「子どもがかんしゃくを起こしたり反抗したりするのは、“自我”の順調な育ちであり、子どもの発育過程において重要である」ということを理解することで、不安やいらだちが和らぎ、心にゆとりを持って子育てができるのではないかと思われます。

 また、『こんな子どもに育ってもらいたい』という家族共通の願いや子育て観をもって、子どもにかかわることが、子育ての“幸福感”や“達成感”につながるのではないかと考えられます。

3.子育てが楽しくなるために

子どもの日々の出来事や発育の様子について、子育て中の親同士が気軽に情報交換をしたり励ましあうことで、不安やストレスが軽くなり、共に喜びを感じながら安心して子育てができるのではないかと思われます。

 また、子どもの発育に関することや親の心理的な不安などについて、身近で気兼ねなく相談できる専門的な機関の設置などの環境づくりが求められています。

 さらに、小学生や中学生の頃から育児の経験や乳幼児とのかかわりを体験し、親になる前から、乳幼児への思いやりや関心をはぐくんでおくことも大切だと考えられます。

4.周囲の人々と職場環境

子育て中の母親は、仕事と家庭の両立や、突発的な子どもの病気などで、自分の時間が思うように取れず、育児疲れやストレスなどを感じることが少なくないといわれています。

 そんな時に、職場や周囲の人々が子育てのしんどさに共感したり、頑張っていることを認めていたわることで、母親の負担感が和らぎ、励みになることもあります。また、身近に頼ったり相談できる人がいることや子育て仲間を一人でも多くもつことで、安心して子育てができる環境へとつながるのではないかと考えられます。

 加えて、父親も育児に参加しやすい職場づくりを早急にすすめることが大切です。

5.子育てにやさしい社会環境づくり

安心して子育てをするために、多様な支援が求められています。

 各家庭の状況に応じて様々な場所で、育児疲れのリフレッシュの支援から深刻な悩みの相談まで、幅広い支援を選択できるような仕組みづくりが必要です。

 このほか、子育てに戸惑った時に孤立せずに、身近にSOSを出せ、速やかに援助をうけることができる環境づくりや、子どもとその家族(親たち)が人のやさしさと温もりを感じられるよう人と人とのつながりや支え合いを育てていく地域づくりなど、多様な支援が求められています。


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高知県 教育委員会 幼保支援課

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