公開日 2017年09月08日
【相談内容】 (高知県労働委員会)
定年前に会社を退職することにしたが、就業規則では、退職願を提出して承諾を得なければならないと、会社から説明がありました。承諾が得られなかったら退職できないのでしょうか。退職の方法はどのようになっているのでしょうか。
【お答え】
雇用期間の定めのない労働者の退職の方法には、次の二通りがあります。
1 「退職願」:合意解約(労働者と使用者との合意による労働契約の解除)
労働者と使用者とが合意すれば、原則として、いつでも退職することができます。
ご相談にあるように、就業規則で退職願の提出などの合意解約の方法が規定されていれば、その規定に従って、退職願などを定められた期限までに提出し、使用者の承諾を得た後に退職することになります。
なお、退職願は、使用者の承諾があるまでは撤回することもできます。
2 「退職届・辞表」:辞職(労働者の一方的意思表示による労働契約の解除)
労働者から一方的に労働契約の解除の意思表示をすることにより、退職する方法もあります。
一般的には退職する日の2週間前までに、辞職の意思を表示した文書(退職届など)を提出するなどして、使用者に辞職の申入れをすれば、使用者の承諾の有無にかかわらず、退職することができます(民法627条1項)。
ただし、就業規則に退職届などの提出期限について、2週間よりも長い期間が定められている場合は、それが極端に長い期間でなければ、その期限までに提出することが必要になる場合もありますので、留意してください。
なお、この辞職の意思表示は、使用者に到達した時点で撤回することができなくなります。
(参考)
雇用期間の定めがある労働者が雇用期間の途中で退職しようとする場合は、やむを得ない事由が必要とされており(民法628条)、使用者との合意がなければ、自由に退職することはできません(詳しくは、「有期雇用者の退職について」(香川県労働委員会)を参照してください。)。
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