2−2 試用期間

公開日 2012年03月05日

更新日 2014年03月16日

【相談内容】 (徳島県労働委員会)


 私は、大学を卒業し、期間の定めのない雇用契約で会社に入社(新規学卒者)しましたが、試用期間3ヶ月を終了した時点で本採用できないと言い渡されました。
 会社からは具体的な説明がなく納得がいかないのですが、どのように対応したらよいでしょうか。


【お答え】


 あなたの場合、大学卒業後会社に入社し、これから仕事に頑張ろうとされていた最中、試用期間終了時に本採用に至らなかったということで、とまどいを感じられていることと思います。
 試用期間は、労働者を採用する場合に、通常1ケ月から6ケ月程度の間、基礎的な教育訓練を行うとともに、職務遂行能力や適格性を判断するために設けられる期間をいいます。
 この試用期間の法的性格は、解約権が留保されている労働契約−つまり使用者との間に労働契約が成立しているもの−であり、試用期間終了時に本採用しないということは、採用の問題でなく、労働契約の解約の問題、言い換えれば解雇の問題ということになります。そして、この留保解約権の行使も、「解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合」に許されるということになります。(三菱樹脂事件最大判昭48.12.12)
 したがって、会社側は、能力面など適格性欠如の判断の具体的根拠を示す必要があり、このことに基づく解約権行使の妥当性が求められることになります。この解約権行使は、通常の解雇よりも広い範囲において認められることにはなりますが、たとえ保護の度合いが本採用後に比べて弱いとしても、先に述べたように留保解約権が当然に認められるわけではありませんので、会社側に十分な説明を求めたらどうでしょうか。
 そしてもし、会社の説明に納得できず、解雇権の濫用と思われるような場合、労働委員会には、個々の労働者と使用者とのトラブル解決のための「あっせん制度」もございますので、ご相談ください。



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