公開日 2019年07月11日
・アスベスト ・硫黄酸化物(SOx) ・一酸化炭素(CO) ・オゾン層 ・温室効果ガス ・環境基準 ・乾性沈着 ・光化学オキシダント ・光化学スモッグ ・黄砂 ・酸性雨 ・ダイオキシン類 ・大気汚染防止法 ・窒素酸化物(NOx) ・低周波音 ・ばい煙 ・PM2.5(微小粒子状物質) ・浮遊粒子状物質(SPM)・有害大気汚染物質
アスベスト
石綿(せきめん)とも呼ばれ、天然に産出する繊維状鉱物でクリソタイル等6種類があります。耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性に優れ、様々な工業用資材として使用されてきましたが、大気中に浮遊するアスベストは気道を通じて肺に沈着し、肺がんや悪性中皮腫の原因となることが分かってきました。このため、昭和50年から順次規制が強化され、現在では輸入・製造・使用が禁止されています。
硫黄酸化物(いおうさんかぶつ)(SOx)(ソックス)
石油や石炭などの硫黄を含む燃料の燃焼時に生成し、二酸化硫黄、三酸化硫黄などがあります。二酸化硫黄が大部分を占めるため、環境基準は二酸化硫黄について定められています。これらは、水に溶けると強い酸性を示すため、高度成長時代の昭和40年代には四日市ぜんそくなど人的被害も発生しましたが、脱硫装置の設置などの対策によって、現在の大気中濃度は大幅に改善しています。
一酸化炭素(いっさんかたんそ)(CO)
炭素を含む燃料が不完全燃焼する際に発生します。一般大気環境における主な発生源は自動車です。体内に取り込まれると、血液中のヘモグロビンと結合し、酸素の運搬を妨げ、人体に重篤な影響を与えます。このため、環境基準が定められています。
オゾン層
地上10~50kmの成層圏にある、オゾンの濃度が高い層のこと。オゾンは酸素に波長の短い紫外線があたることにより発生し、出来たオゾンは紫外線を吸収して酸素に戻るという平衡状態にあります。このため、有害な紫外線が地表に到達するのを妨ぐ働きをしています。近年問題になっているフロン等は、上で述べたオゾンが分解する反応を促進するので、オゾンの濃度が減少し、有害な紫外線による皮膚がんなどの増加、生態系への影響等が懸念されています。
温室効果(おんしつこうか)ガス
地表から放出される赤外線を吸収する作用を持つ気体の総称。地球を生物が住める温暖な気候に保つという貢献をしていますが、これらが多くなりすぎると温暖化が進み、地球の生態系に影響が及びます。二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン類など多くの気体に温室効果があることが分かっており、その温室効果の強さも様々です。なかには、二酸化炭素の数千倍から一万倍の温室効果を持つ気体もありますが、量があまり多くないことから、全体では二酸化炭素が最も大きな影響を与えていると考えられています。
環境基準(かんきょうきじゅん)
人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準のこと。行政上の目標であり、各種の規制措置や施設整備等の施策を立案する際の根拠となります。大気汚染の環境基準については、全国一律の基準であり、以前から定められている、二酸化窒素、二酸化硫黄、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、光化学オキシダントのほかに、平成に入り、ベンゼンなどの4種類の有害大気汚染物質、ダイオキシン類、微小粒子状物質が定められました。
乾性沈着(かんせいちんちゃく)
酸性雨に含まれる酸性物質や塩基性物質は、雨が降っていないときも空気中に漂っています。こういった微細な粒子やガス状の汚染物質が、降雨によらず地上にもたらされる現象を乾性沈着と言います。
光化学(こうかがく)オキシダント
窒素酸化物と炭化水素が、太陽光線による光化学反応を受けて生じる、オゾンやパーオキシアシルナイトレート等の酸化性物質の総称。オキシダントは強い酸化力を持ち、健康被害を起こすことのある光化学スモッグの原因物質。環境基準が定められています。
光化学(こうかがく)スモッグ
大気中の光化学オキシダントの濃度が高くなり、白いモヤがかかったようになる現象のこと。日差しが強く風の弱い日に発生しやすく、従来は夏場に多く発生しましたが、地域によっては3月~5月に発生する場合が多くなっており、大陸からの越境汚染が原因のひとつと考えられています。強い酸化力のため、目がチカチカする等の健康被害の他、植物に対する影響などが見られます。
黄砂(こうさ)
中国大陸内陸部の乾燥地域で、強風により数千メートルの上空に巻き上げられた土壌や鉱物等の粒子が、偏西風により運ばれ沈降する現象。日本に飛来する黄砂は、直径が1.0μm~30μm(マイクロメートル)の粒子が多く、4μm前後の粒子が最も多く見られます。主要成分は、石英(せきえい)、長石(ちょうせき)、雲母(うんも)等の鉱物ですが、アンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオンなども見られることから、人為起源の大気汚染物質を取り込んでいることがうかがわれます。
酸性雨(さんせいう)
石油・石炭などの燃焼によって大気中に放出された、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などの大気汚染物質が、大気中で紫外線によって、硫酸や硝酸などの酸性物質となり、雲(水蒸気)に取り込まれ、酸性の雨となったもの。pH5.6以下を酸性雨と言う場合が多い。
ダイオキシン類
ダイオキシンは様々に定義されていますが、ダイオキシン類対策特別措置法では、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDF)、及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(co-PCB)をダイオキシン類としています。
PCDD、PCDFは意図的に製造される物ではなく、多くは、農薬製造時の不純物や有機物の燃焼に伴う副生成物として発生してきました。co-PCBは、従前はダイオキシン類とはされていませんでしたが、PCBのなかで、平面構造をとることの出来る種類は、PCDD等と同様の毒性を示すことが確認され、現在ではダイオキシン類として扱われています。ダイオキシン類は発がん性を始めとする様々な毒性を有することが分かっていますが、人体に対する毒性の強さはまだ不明確な点が多い状況です。特に急性毒性は動物の種類による差が大きく、モルモットとハムスターではその毒性に1000倍以上の差があり、人体に対する毒性がどの程度なのかよく分かっていません。
大気汚染防止法(たいきおせんぼうしほう)
工場及び事業場における事業活動などを規制すること等により、大気の汚染に関し、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全すること等を目的とする法律です(昭和43年12月施行)。人の健康を保護し生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として、環境基準が環境基本法において設定されています。この環境基準を達成することを目標に、大気汚染防止法に基づいて各種規制を実施しています。たとえば、固定発生源(工場や事業場)から排出又は飛散する大気汚染物質については、物質の種類ごと、施設の種類・規模ごとに排出基準等が定められています。規制物質としては、ばい煙、揮発性有機化合物、石綿(アスベスト)などがあります。
窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)(NOx)(ノックス)
窒素の酸化物の総称。環境分野では主に一酸化窒素と二酸化窒素又はその混合物を言います。物質の燃焼時に、燃料由来又は空気中の窒素が空気中の酸素と結合して生成されます。生成時は大半は一酸化窒素ですが、一部が空気中で酸化されて二酸化窒素となります。二酸化窒素は高濃度では人体に様々な影響を与えるため、環境基準が定められています。また、窒素酸化物は酸性雨や光化学スモッグなどの原因物質でもあります。
低周波音(ていしゅうはおん)
一般的に人間の耳に音として聞こえる音波の周波数は、およそ20ヘルツから20000ヘルツ程度といわれています。20ヘルツ以下の音波は超低周波音と呼ばれ、一般的には音としては人間に知覚されません。 この超低周波音に、可聴域(かちょういき)であっても音としてあまり明確には知覚されない周波数の音を併せて低周波音と呼んでいます。はっきりした定義はありませんが、環境省では、概ね1ヘルツから100ヘルツまでの音波を低周波音としています。強い低周波音が発生すると、窓やドアのがたつき等が観測されます。
ばい煙(えん)
大気汚染防止法で次のように定められています。(一部省略)
- 燃料その他の物の燃焼に伴い発生するいおう酸化物
- 燃料その他の物の燃焼又は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん
- 物の燃焼、合成、分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち、カドミウム、塩素、弗化水素、鉛その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質で政令で定めるもの 。
PM2.5(微小粒子状物質)(びしょうりゅうしじょうぶっしつ)
大気中の浮遊粒子状物質のうち、おもに粒径が2.5μm(マイクロメートル)以下の物質。これらの多くは、石油などの化石燃料が燃焼する際に発生する粒子や、ガス状大気汚染物質が化学反応などによって粒子状になった物であることが分かってきています。PM2.5は、より大きな粒子状物質に比べて、肺への到達率が高いことが分かっています。そのため、人体への影響も大きいと言われており、近年様々な研究が行われています。日本でも平成21年に環境基準が定められました。
浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ)(SPM)
大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒径が10µm以下のものをいいます。微小なため大気中に長時間滞留し、肺や気管などに沈着して、呼吸器に影響を与えます。SPMは粒径10µmで100%の捕集効率をもつ分流装置を透過する微粒子であり、10µmの粒子が50%カットされる測定方法であるPM10とは異なります。SPMをPM10と同じ基準で表した場合はPM6.5~PM7程度となります。環境基準が定められています。
有害大気汚染物質(ゆうがいたいきおせんぶっしつ)
有害大気汚染物質は、大気汚染防止法において、「継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがある(長期毒性を有する)物質で大気の汚染の原因となるものであって、同法による工場・事業場規制の対象物質を除くもの」として規定されています。この有害大気汚染物質に該当する可能性のある物質は、平成8年10月に中央環境審議会の中で234物質(平成22年に248物質に見直し)が示されました。また、その中で有害性の程度や、大気環境等の状況と照らし合わせて健康リスクがある程度高いと考えられる優先取組物質として、22物質(平成22年に23物質に見直し)が選定されました。 これらの中には、揮発性有機化合物、金属類、ダイオキシン類などが含まれます。
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