公開日 2013年01月31日
更新日 2014年03月29日
ゾーニングについて
森林法の改正による新しいゾーニング
・森林法(昭和26年法律第249号)の一部改正によって森林計画が見直され、新たなゾーニングが導入されました。
・新たなゾーニングは、公益的機能別施業森林と、木材生産機能維持増進森林、市町村が独自に定めたものがあります。
・個々の森林において発揮が求められる機能が複数ある場合は区域が重複することも認められています。
・区域や推進すべき森林施業については市町村森林整備計画において定められます。
近年、災害に強い国土基盤の形成または良質の水の安定供給など、森林の役割に対する県民の期待が高まっています。また、貴重な野生動物の生息地等、生態系を支える重要な自然環境として認知されるとともに、身近な自然として居住地周辺における里山の整備等への要請が高まっています。
一方、森林の蓄積は着実に増加してきており、森林資源の成熟化にともない、今後、木材の供給能力が高まるものと見込まれます。
また、これらの役割のほか、森林は、二酸化炭素の吸収源・貯蔵庫として大きく期待されています。
このような、森林の持つ多面的機能を発揮するため、森林を役割ごとに区分けし、その機能が充分発揮されるよう整備・保全を図ることとしていますが、その役割ごとの区分けをゾーニングと呼んでいます。その内容は以下のとおりです。
・水源涵養機能維持増進森林
水源の涵養の機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべき森林
ダム集水区域や主要な河川の上流に位置する水源地周辺の森林、地域の重要な用水源の周辺の森林など、水源涵養の働きを重視すべき森林について設定されます。
・山地災害防止機能/土壌保全機能維持増進森林
土地に関する災害の防止及び土壌の保全の機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべき森林
山地災害の発生により人命・人家などへの被害のおそれがある森林など、土砂の流出や土砂の崩壊の防備などの働きを重視すべき森林について設定されます。
・快適環境形成機能維持増進森林
快適な環境の形成の機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべき森林
日常生活に密接な関わりを持つ里山等であって、騒音や粉塵等の影響を緩和する森林、風害・霧害等の気象災害を防止する効果が高いなど、快適な環境の形成の働きを重視する森林について設定されます。
・保健機能維持増進森林
保健文化機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべき森林
保健・教育的利用等に適した森林、史跡等と一体になり優れた自然景観等を形成する森林、希少な生物が生育・生息している森林など、森林の持つ憩いと学びの場を提供する働きや、歴史的・美的景観の維持・形成の働き、生物多様性の保全の働きを重視する森林について設定されます。
・木材生産機能維持増進森林
木材の生産機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべき森林
木材等の林産物を持続的、安定的かつ効率的に供給する働きを重視する森林について設定されます。
ゾーニング別による方針
・水源涵養機能維持増進森林
・下層植生や樹木の根を維持増進を図るための施業を基本
・皆伐による面積の規模を縮小
・主伐は標準伐期齢に10年を加えた林齢以上
・山地災害防止機能/土壌保全機能維持増進森林、快適環境形成機能維持増進森林、保健機能維持増進森林
・地形・地質等の条件を考慮した上で、伐採に伴って発生する裸地化の縮小並びに回避を図るとともに天然力も活用した施業を推進する。
・複層林施業を基本とし、各機能森林について、特に公益機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべきと判断される森林については、択伐による森林施業を推進し、それ以外の森林については、択伐以外の方法による複層林施業をすべき森林とする。
・適切な伐区の形状、配置等により、伐採後の林分においてこれらの機能の確保が可能な場合は、主伐の次期を標準伐期齢のおおむね2倍以上とする長伐期施業を推進する。
・木材生産機能維持増進森林
・適切な造林、保育及び間伐の実施、森林施業の集約化、路網整備や機械化を通じた効率的な森林整備を推進
1.地域森林計画について
※地域森林計画で整備内容を市町村森林計画で具体的な位置を定めています
国は、全国的な森林施策の方針として、15年を一期とした「全国森林計画」を作成します。県では、それに基づき10年間を一期とした「地域森林計画」を作成します。内容は、次のとおりです。
・県の森林関連施策の方向
・伐採、造林、林道、保安林整備の目標および基準等
この地域森林計画の中で、上記で説明したゾーニングの内容が示されています。
2.市町村森林整備計画について
市町村は、県の作成する「地域森林計画」に基づき、各市町村に即した「市町村森林整備計画」を作成します(計画の期間も、地域森林計画と同じになるよう策定します)。
そのなかで地域のゾーニング区分について、具体的に林班・小班単位で定めています。
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