創業から75年。鉄の輪っかをつくることを追求し、技術を培ってきました。鍛造という日本の昔ながらの技術でものづくりをしています。

ISS富士鍛の製品は機械の内部に組み込まれてしまうので、日常で目にする機会はほとんどありません。しかし、建設機械や風力発電、医療機器や半導体製造装置など、挙げればキリがありませんが、世の中に貢献する機械の中で大活躍しています。

また、ISSグループに属しており、無借金経営を実現している安定企業です。

金属のリングをつくるには、いろんな機械や設備が必要です。例えば、プレス加工機（熱した鉄をつぶす機械）、加熱炉（鉄を温める）、ローリングミル（金属をリングの形にする機械）、フォークリフトなどなど。それぞれの機械を操る作業者がおり、チームワークを発揮して、ひとつずつ丁寧に輪っかをつくっています。

輪っかはさまざまな分野で使われていますが、ひとつ例を示します。

今やスマートフォンは生活必需品ですよね。スマホをつくるためには半導体が必要で、半導体をつくるためには半導体製造装置が必要なのです。

そして、半導体製造装置にはISS富士鍛のリングが欠かせないのです。

ISS富士鍛は高知県室戸市にあります。悲しいことに室戸市は過疎地域に指定されていますが、そのような中でも私たちの会社は若い人も多く、年齢層は非常にバランスが良いです。

入社後は先輩たちに教えられながら、さまざまな作業にゆっくりと慣れていくことができます。美しい輪をつくるにはチームワークが何よりも重要です。そのような中で働く人びとですので、社員全員が優しく親切です。

そのような社風からか、ありがたいことに働いている社員が友人に紹介したり、親戚に紹介したりで、社員自らが知り合いにおススメして入社に至るというケースもあります。

入社のきっかけについて

生まれ育った地元で働きたい。そして、ものづくりを極めたい

室戸市で生まれ育ちましたが、高校は実家を離れて高知市にある高知工業高校に進学しました。そのときは下宿生活をしていて、最初こそ親がいない生活で大変でしたが、友達もでき、部活に勉強にと楽しく過ごしました。

いざ、就職となったときに思い浮かんだのは、地元である室戸。幼なじみが恋しくなっていましたし、室戸で働きたいなと思ったのです。そうして先生から紹介されたのがISS富士鍛でした。工場が大きくて、ダイナミックなものづくりには衝撃を受けました。部活のおかげで体力もあったので、自分に合っていそうだったし、先輩たちも優しそうでここで働こうと思えました。

後日談にはなるのですが、幼なじみたちが恋しくて地元に戻ったのですが、友人のほとんどは県外へ進学、就職してしまいました（笑）。それでも長期休暇は皆戻ってくるので、楽しく遊んでいます！

入社してからさまざまな作業を行い、徐々にステップアップしています。ここ1年はプレス加工機（加熱した金属をつぶす機械）の操作をしており、やっと慣れてきたところです。

「金属をつぶす」というシンプルな作業なのですが、実は繊細さが求められます。材質や加熱の具合によって、硬さが違うのです。その硬さを見極めながら、つぶす力を変化させることが重要です。一定の力を加えることでどれくらいつぶれるのかをしっかり観察して、力加減を操作しています。同じ作業に見えて実はそうでもないので、とてもやりがいを感じています。

現在の仕事について

大きなサイズの輪っかをつくる。綺麗にできたときの喜びは何にも代えがたい！

私は高校卒業後、関西で仕事をしていました。いろいろと社会人経験を経て地元に戻ることになり、ISS富士鍛にご縁があって中途入社しました。

今はローリングミル（金属をリングの形にする機械）を操作する仕事をしています。美しい輪っかをつくるには、下準備として、でこぼことしたドーナツ型の輪っかをつくらなければいけません。そのでこぼこドーナツは仲間がつくってくれるので、それを美しく仕上げるのが私の作業です。

でこぼこドーナツは全て微妙に形が違います。そして温度も違います。輪っかの動きを見て、機械を柔軟に操作しなければ美しいリングはできません。毎回、ちゃんとできあがるかヒヤヒヤしているのですが、その分綺麗な輪っかができたときは本当に嬉しいです。

日頃の楽しみはズバリ晩酌です（笑）。仕事終えてからのお酒ってなんであんなに美味しいのでしょうね。お酒を飲みながら、家族と夕食を食べるのが何よりの癒しで、仕事の糧になっています。

ありがたいことに、中学生の娘はお父さん嫌いにはなっておらず、今でも私の晩酌に付き合ってくれています（笑）。娘の学校での出来事などを聞くのが毎日楽しみです。