看護部

看護部長あいさつ

 あき総合病院は、医療資源の少ない高知県東部の安芸保健医療圏において、急性期一般病棟・HCU(ハイケアユニット)、地域包括ケア病棟、精神科病棟を有し、日々変化する医療制度や政策の動向にあわせて、急性期から慢性期に至る医療を提供できるよう体制を整えてきました。
 看護部では、あき総合病院の看護師にとって必要な実践能力として、救急医療に不可欠な臨床判断能力(フィジカルアセスメント)、地域住民が住み慣れた地域で自立した生活を送るための医療・保健・福祉・介護との連携や協働できる能力、そして、急速に進む高齢化社会に対応するための高齢者ケアを実践できる能力と考えています。こういった実践能力を習得できるキャリアアップ支援システムとして、あき総合病院クリニカルラダーを作成し、ラダーラベルに応じた研修の企画や受講支援を行っています。
 看護師自身が自分のワークライフバランスを考え、主体的に実践能力を磨くことができるよう支援しております。
 そして、確かな実践能力を身につけた看護師が、やりがいを持って働き続けられる職場環境を整えることが、この地域で暮らしている住民の方々の健やかな生活を守ることにつながると考えています。

看護部理念

  • 私たちは、人々の心とからだの健康を支え、質の高い看護を提供します。

基本方針

 患者の人権を守ります
 患者の持つ自然治癒力を最大限に高める看護を目指します
 地域との連携を図り、社会復帰を支援します
 専門職業人として、能力開発に努めます

看護方針

看護提供方式

 福井大学医学部付属病院看護部が開発した看護提供方式PNS(Partnership Nursing System)を実践しています。
 PNSとは、2人の看護師が安全で質の高い看護を共に提供することを目的に、良きパートナーとして対等な立場で互いの特性を活かし、相互に補完し協力し合って、毎日の看護ケアをはじめ委員会活動・病棟内の係の仕事に至るまで1年を通じて活動し、その成果と責任を共有する看護体制のことです。
 (福井大学医学部付属病院看護部『PNSの手引き』より抜粋)

部署紹介

●外来

 外来は23診療科あり、専門外来として外来がん化学療法・ストーマ外来・ペースメーカー外来・禁煙外来・母乳外来・小児科あっぷるクリニック(発達外来)・補聴器外来などもあります。また、第2・第3土曜日には妊婦健診も行っています。
 2次救急指定病院となっており高知県東部の中核病院として患者さんが安心して医療を受けられるように24時間対応をしています。

●HCU(高度治療室)

 HCUは、手術後の経過観察が必要な患者さんやその他の全身管理、治療・看護を必要とする患者さんが入室しています。一般病棟での療養環境とは少し違い、人工呼吸器や心電図モニターなどさまざまな医療機器を使用して患者さんの治療にあたります。できるだけ早く一般病棟への転棟ができるように身体回復のためのケアや日常生活を送るサポートを行っています。

●1病棟(やまの棟3階) 精神科病棟 60床

 慢性期の精神疾患の患者さんが大半を占め、食事・入浴・排泄といった日常生活の支援を必要とする患者さんが多い一方、患者さんの高齢化に伴い身体疾患の治療を必要とする患者さんも増えています。医師や精神保健福祉士、作業療法士などのスタッフと協働しながら、患者さんの状態に適した食事やリハビリ・社会資源についての情報などの提供を行い、患者さんの治療や家族への支援を行っています。
 看護スタッフは、患者さんの状態に合わせた看護ケアの実践と患者さんが療養できる環境の提供に努めています。

● 2病棟(やまの棟4階) 精神科病棟 30床

 急性期の集中的な治療が必要な精神疾患や身体的疾患を合併している患者さんを対象としている病棟です。休日や時間外の入院対応や処遇困難、身体合併症の患者さんが他の病院より紹介される場合も多くあります。精神保健福祉法の尊守のもと、患者さんの安全を第一に、治療的信頼関係を形成できるように努力していきます。

3病棟(はなの棟3階) 地域包括ケア病棟 45床

 平成27年より地域包括ケア病棟として機能しています。
 緩和医療では、疼痛コントロール、アロママッサージも取り入れ、患者さん・ご家族の希望に沿った看護を提供しています。
 在宅医療では、急性期の集中治療や術後の一定期間を過ぎ、リハビリ段階に入り、在宅へ向け、院内外の多職種と連携をとりながら、退院後、安心して生活できるよう支援を整え、できるだけ多くの患者さんが在宅復帰できるよう努めています。

4病棟(はなの棟4階) 身体科病棟 42床

 整形外科、脳外科、泌尿器科の外科系急性期病棟です。
 手術を目的に入院される方が多く、術前術後管理では安全安楽な援助を心がけています。また、手術前からリハビリを行い早期回復できるように援助しています。急性期治療を終えると、回復期リハビリテーション病院への転院や在宅療養へのサービス調整など、多職種・他施設・在宅支援を支えるスタッフと協力連携し、日常生活の自立とQOLの向上を念頭に、退院後も安心して生活できるような調整支援を行っています。

●5病棟(うみの棟3階) 身体科病棟 45床

 外科、耳鼻咽喉科、眼科、産婦人科、小児科、皮膚科の混合急性期病棟です。
 安全・安心な医療の提案を基本に、患者さんのニーズを尊重し、患者さん・ご家族のみなさんと共にケアプランを計画・実施することをめざしています。
 また、患者さんが安心して入院生活や退院後の生活が送れるよう、外来や地域・他施設との連携を図っています。
 外科は、緊急入院や手術をされる患者さんに的確な知識や技術を提供し、早期の社会復帰につながるよう援助を行なっています。
 産科は、助産師を中心として妊娠管理を密に行ないながら、順調に経過し良好な親子関係が築けるよう、それぞれの時期に応じた援助を行なっています。また、母乳栄養にむけての母乳マッサージや、夫立会い出産、個別・集団指導などを行なっています。
 助産師によるマタニティ-相談、母乳外来、両親学級、沐浴体験会、ベビーマッサージ、マタニティヨーガ、産後のヨーガ、小学生等を対象に『いのちの教室』への教育活動に参加しています。

● 6病棟(うみの棟4階) 身体科病棟 40床 結核病床 5床

 内科・消化器内科・循環器内科・呼吸器内科の一般急性期病床と結核病床が一体となった急性期病棟で、内科系の緊急入院を受け入れしています。最新の医療機器や設備が整い、心臓血管のカテーテル治療や、人工呼吸器による呼吸管理など、常時観察が必要な重症の患者さんの対応もおこなっています。皆さまが安心して治療を受けることができますよう、私たちスタッフも日々、最新の知識や高度な技術を獲得するための努力を重ねています。また、お天気のいい日には、南側の部屋からはきれいな太平洋の水平線、北側からは奥へ奥へとつながる山脈を眺めることができ、患者さんにはとても喜んでいただいています。

専門領域における資格

  認定看護管理者・・・1名

  専門看護師

   がん看護専門看護師・・・1名

  認定看護師

   皮膚・排泄ケア認定看護師・・・1名

   感染管理認定看護師・・・1名

   認知症看護認定看護師・・・1名

   救急看護認定看護師・・・1名

    脳卒中リハビリテーション認定看護師・・・1名

  精神科認定看護師

   身体合併症看護領域・・・1名

  特定行為研修修了看護師・・・4名

  学会認定資格など

   糖尿病療養指導士

   心不全療養指導士

   消化器内視鏡技師

   呼吸療法認定士・栄養サポート専門療法士

   精神保健福祉士

   認知症ケア専門士

   DMAT隊員

   ACLS・ICLSインストラクター など

 

がん看護専門看護師

 患者さんやご家族は、がんと疑いをもちつつ不安の中で病院を受診され、がんと告知された時の衝撃、怒り、不甲斐なさ等様々な思いを抱き治療に向かっていることと思います。
 そんな時、患者さんご家族だけで悩まずに気軽に相談して頂ければ、新たな方法を共に見つけたり考える力になれるのではないかと思います。がんと告知された時から治療、そして最期の時まで患者様らしく、ご家族らしく生きることへの支援を心がけております。まずは声をかけてみてくださいね。

がん認定看護コメント

皮膚・排泄ケア認定看護師

 皮膚・排泄ケア認定看護師の分野は、Wound(創傷)・Ostomy(オストミー)・Continence(失禁)の3領域に分かれており、スキンケアを基盤とし、皮膚障害ならびに脆弱な皮膚を持った患者さんに対して専門的な知識と技術を提供することを目的としています。
 社会の高齢化による要介護者の増加や、食の欧米化による大腸癌患者の増加から、褥瘡ケア・ストーマケア・失禁ケアの必要性は高まっています。また、世界的な生活習慣病のひとつである糖尿病足病変においても、日常におけるフットケアの必要性が高まり、病院だけでなく施設や在宅などあらゆる場面で皮膚・排泄ケア認定看護師の活躍の場が求められていると感じています。
 一人でも多くの方々にこの分野に興味を持っていただけるよう日頃からケアを大切にしていきたいと思うとともに、地域の患者さんおよび御家族、医療従事者の皆さんに貢献できればと思っています。

精神科認定看護師 身体合併症看護

 精神科認定看護師とは、①すぐれた看護実践能力を用いて、質の高い精神科看護を実践すること ②精神科看護に関する相談に応じること ③精神科看護に関する指導を行うこと ④精神科看護に関する知識の発展に貢献することを目的としています。
 昨今、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築が進められる中、急性期医療から在宅医療まで、看護師の活躍の場は多様化、高度化しています。そのため、精神障害の有無にかかわらず、患者さんの身体的、心理的、社会的ニーズを理解し、それに応じたケアが求められていると感じています。
 またコロナ禍において、不安、ストレス関連障害、不眠、自殺企画などメンタルヘルスへの影響が報告されており、すべての地域住民や医療従事者の精神的な不調に対して、早期から医療的な介入が求められていると感じています。
 患者さんの生活されている場所(病院・在宅、施設)を問わず、患者さん一人一人の不安、困り事、ニーズに寄り添い、安心して日常生活が送れるように貢献していきたいと思います。